スリランカ干ばつ、7.2万人に給水制限、エルニーニョで雨不足続く
政府は水不足への緊急対応として、48億ルピー(約23億円)を拠出した。
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スリランカ政府は20日、深刻な干ばつに見舞われている国内7州・地域の約7万2000人を対象に、トラックなどによる給水を実施していると明らかにした。干ばつはエルニーニョの影響によるもので、政府は数十年ぶりの規模になる可能性があると警戒している。国内数百カ所の貯水池では水位が平年より大幅に低下し、貯水量が10%まで落ち込んでいる。飲料水だけでなく、農業や家畜などへの影響も深刻化している。
政府は水不足への緊急対応として、48億ルピー(約23億円)を拠出した。干ばつの影響を受けていない地域から給水車で水を運び、対象世帯には飲料や衛生用途として2~3日ごとに約75リットルを配給している。パタベンディ(Dammika Patabendi)環境相は記者団に対し、当初はエルニーニョが11月ごろにピークを迎えると予想していたものの、より早くピークに達する可能性があるとの見方を示した。政府は9月第3週までの対応策を用意し、その後の状況を見ながら延長する方針だ。
干ばつは生活用水の不足だけにとどまらない。ココナツや野菜などの農作物も水不足によるストレスを受けており、長期化すれば農業生産や農家の収入に打撃を与える可能性がある。スリランカでは農業が重要な産業の一つであるため、雨不足が食料供給や物価にも波及することが懸念される。エルニーニョは地域によって干ばつや洪水を引き起こす自然現象で、地球温暖化により影響を増幅させることがある。
政府は市民だけでなく野生動物への対応も進めている。国内最大級の野生動物保護区であるヤーラ国立公園にも給水を行っており、園内では太陽光発電を利用して水をくみ上げている。同園にはスリランカ固有のヒョウの亜種が多く生息している。
今後の焦点は9月以降の降雨と干ばつの長期化だ。政府は年末のモンスーンによってまとまった雨が降ると期待する一方、来年初めには再び干ばつが発生する可能性も指摘している。2015~16年以来となるエルニーニョの影響が予想以上に強まる中、スリランカでは目先の給水支援だけでなく、水資源の管理や農業の干ばつ対策を強化する必要性が高まっている。
