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パキスタン・カシミール選挙、デモ参加者と治安部隊が衝突、30人超死亡

当局は治安上の懸念から地域ごとに分割して投票を実施しているが、長年の政治的不満や経済問題が噴出し、選挙の公正性を巡る対立も重なって情勢は一段と不安定化している。
2026年7月29日/パキスタン、首都イスラマバード、カシミール地方の暴力に抗議するデモ(ロイター通信)

パキスタン統治下のカシミールで地方議会選挙の投票が進む中、抗議参加者と治安部隊との大規模な衝突が発生し、30人を超える死者が出ている。議会選挙は7月27日に始まり、8月10日まで段階的に投票が行われる。

当局は治安上の懸念から地域ごとに分割して投票を実施しているが、長年の政治的不満や経済問題が噴出し、選挙の公正性を巡る対立も重なって情勢は一段と不安定化している。

衝突が最も激しかったのはムザファラバード近郊の地区で、抗議デモを主導する非合法の政治団体JAAC(共同人民行動委員会)は治安部隊の発砲により30人以上の支持者が死亡したと主張している。

一方、当局は治安要員1人が死亡、5人が負傷したほか、抗議参加者3人の死亡を確認したものの、それ以上の犠牲者については認めていない。双方の主張には大きな隔たりがあり、実際の被害規模は明らかになっていない。

27日の投票では与党・パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派が13議席のうち9議席を獲得した。一方、野党・パキスタン正義運動(PTI)は不正選挙が行われたとして投票をボイコットした。

背景には中央政府による政治介入への不信感や、経済停滞、公共サービスの不足に対する住民の不満がある。JAACは当初、生活費の高騰や電気料金の引き下げなどを求める市民運動として支持を広げたが、6月に当局が同団体を非合法化して以降、対立は一段と先鋭化した。抗議活動の影響で銀行や交通機関の営業停止、インターネット通信の遮断なども相次ぎ、地域経済や住民生活に深刻な影響が出ている。

カシミールはインドとパキスタンが領有権を争う係争地で、パキスタン統治エリアでも政治的安定が長年の課題となってきた。住民の間では、難民枠として配分される議席制度を通じて中央政府が地域政治に強い影響力を及ぼしているとの批判も根強い。

今回の選挙結果を受けても、社会の分断が解消される兆しは乏しく、政治改革や住民の不満解消に向けた具体策を示せなければ、抗議活動がさらに拡大する可能性も指摘されている。国際人権団体からは、治安部隊による武力行使を含む一連の衝突について、独立した調査を求める声も上がっており、カシミール情勢の先行きは依然として不透明である。

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