コンテンプト・オブ・コート 2-33
アンカレッジ市内のバー。
店内では、男たちが殴り合っていた。
エイダンは向かってきた男の腕を取り、そのまま壁へ叩きつけた。
別の男が背後から近づく。
エイダンが振り返る。
拳をかわし、男の腹へ拳を入れる。
男が後ろへ下がった。
「まだいるな」
エイダンが周囲を見る。
店内には十数人の男がいた。全員、似たような装備を身につけている。
マイクが一人の男をかわし、テーブルを蹴った。
テーブルが倒れ、男の足を止める。
その隙にマイクが距離を取った。
「軍人か?」
男が言った。
「違う」
マイクは答えた。
「弁護士だ」
男が拳を振る。
マイクは身をかわした。
拳が壁に当たった。
「弁護士にしては動けるな」
「よく言われる」
マイクが男の腕をつかむ。
別の男が横から突っ込んできた。
マイクは腕を離し、二人の間から抜けた。
その横でエイダンが二人の男を相手にしていた。
一人の拳を受け止め、もう一人の肩をつかむ。
二人をぶつけるように押し返した。
「マイク!」
「何だ?」
「数が多すぎる」
「見れば分かる」
「なら、もっと早く倒せ」
「努力する」
ジョニーは少し離れた場所から二人を見ていた。
周囲では部下たちが次々に立ち上がっている。
エイダンがジョニーを見る。
「お前が親玉か?」
「そうだ」
「なら、こいつらを下がらせろ」
ジョニーが笑った。
「まだそんな余裕があるのか?」
エイダンが拳を握った。
「男らしく殴り合いで勝負しようぜ」
ジョニーは首を振った。
「お前らなんか、小指一本で十分だ」
エイダンの表情が変わる。
「言ったな」
エイダンが前へ出た。
ジョニーも一歩踏み出す。
二人が向かい合った。
その瞬間、横から男がエイダンへ飛びかかった。
エイダンは反射的に腕を上げる。
男の拳を受け止める。
その隙にジョニーがエイダンへ向かって拳を振った。
マイクが横から入った。
ジョニーの拳がマイクの肩に当たる。
マイクがよろめく。
「マイク!」
「大丈夫だ」
マイクは立て直した。
ジョニーが舌打ちする。
「邪魔するな」
「お前に言われる筋合いはない」
マイクがジョニーへ向かう。
だが、別の男が前に出た。
マイクは拳をかわした。
男の腕をつかみ、体勢を崩す。
その直後、背後から何かが飛んできた。
マイクが振り返る。
間に合わなかった。
硬い物が側頭部に当たった。
鈍い衝撃。
マイクの視界が一瞬揺れる。
「マイク!」
エイダンが叫んだ。
マイクは壁に手をついた。
「……大丈夫だ」
額から血が流れた。
マイクは指で触れる。
赤い血がついた。
それを見て、ジョニーが笑った。
「もう終わりか?」
マイクは血のついた手を見る。
そして、ジョニーへ視線を戻した。
「まだ始まったばかりだ」
エイダンが前に出る。
「こいつは俺がやる」
エイダンがジョニーへ向かう。
その間にも、周囲の男たちが再び動き始めた。
マイクは頭を振った。
視界はまだ少し揺れている。
それでも立っていた。
「ローリー!」
「ここよ!」
壁際からローリーの声が返ってくる。
マイクはそちらを見る。
「もう少しだ」
「何が?」
「ここを出るまでだ」
マイクは再び拳を構えた。
