コンテンプト・オブ・コート 2-31
アンカレッジ市内。
開店前のバーは静かだった。
店内には数人の男がいる。
奥のテーブルにはジョニーが座っていた。
その近くにローリーがいる。
ローリーの周囲には男たちが立っていた。
入口のドアが開く。
マイクが入ってきた。
その後ろからエイダンが続く。
二人は店内を見回した。
ジョニーが立ち上がる。
「来たな」
マイクはジョニーを見る。
「うちの事務員はまだ生きてるか?」
ローリーが声を上げた。
「マイク!」
マイクはローリーを見る。
「怪我は?」
「ない」
「そうか」
マイクはジョニーに視線を戻した。
「帰るぞ」
ジョニーが笑った。
「そんな簡単に帰れると思うか?」
「思ってる」
ジョニーの後ろにいる男たちが一斉に立ち上がった。
エイダンが周囲を見る。
「ずいぶん集めたな」
「お前ら二人を相手にするには必要だろ」
エイダンが鼻で笑う。
「俺たち二人だけだと思ってるのか?」
ジョニーの表情が変わる。
「どういう意味だ?」
エイダンは答えなかった。
マイクがローリーを見る。
「動けるか?」
「動ける」
「なら、こっちへ来い」
ローリーは男たちの間を見た。
「簡単には通してくれないみたいだけど」
「俺が通す」
マイクが一歩前へ出る。
エイダンも並んだ。
そのとき、エイダンの携帯電話が鳴った。
エイダンは画面を見る。
部下からだった。
「俺だ」
電話の向こうから声がする。
エイダンはマイクを見る。
「裁判が始まる」
「分かってる」
「どうする?」
マイクが答える。
「俺たちが戻るまで、時間を稼げ」
エイダンは短くうなずいた。
「聞いたな」
電話の向こうにいる部下へ言う。
「裁判を止めろ」
「分かりました」
「ただし、無茶はするな」
「どのくらい持たせれば?」
エイダンはマイクを見る。
「俺たちが戻るまでだ」
「了解しました」
エイダンは電話を切った。
マイクが言う。
「これでいい」
エイダンは携帯電話をポケットに入れた。
「やるか」
ローリーが二人を見る。
「何をするつもり?」
マイクが答える。
「君を連れて帰る」
「それだけ?」
「ああ」
ローリーはジョニーを睨んだ。
「こいつ、私をさらったのよ」
「知ってる」
「じゃあ、痛い目に遭わせて」
マイクはジョニーを見る。
「聞いたか?」
ジョニーが笑う。
「女に言われたから殴るのか?」
「違う」
マイクが言う。
「俺が殴りたいだけだ」
エイダンが前へ出た。
「話は終わりだ」
ジョニーが手を上げる。
「やれ」
男たちが一斉に動いた。
エイダンが構える。
マイクも身構えた。
ローリーは壁際へ下がる。
店内の空気が変わった。
最初の男がエイダンに飛びかかる。
エイダンが腕を取る。
男の体が床へ落ちる。
その横で、マイクが別の男の拳をかわした。
「ローリー!」
「分かってる!」
ローリーはテーブルの陰へ移動した。
男たちが二人を囲む。
エイダンが叫ぶ。
「マイク!」
「何だ?」
「早く終わらせるぞ」
「同感だ」
二人は同時に前へ出た。
