ネパール・チベット大洪水、発生から1カ月、死者1500人、6000人以上が行方不明
1カ月が経過しても被害の全容は明らかになっていない。
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ネパールと中国チベットの国境付近で8月26日に発生した大規模な洪水から1カ月が経過した。ヒマラヤ山脈で発生した氷河の崩落が河川に流れ込み、その後、水と土砂が一気に下流に流れ込んだことで、国境周辺からネパール国内の広い範囲に甚大な被害が及んだ。
ネパール当局によると、これまでに収容した遺体は1451人に上り、5700人以上が行方不明となっている。水力発電施設で働いていた作業員や、国境を移動していた外国人観光客らも多数巻き込まれた。遺体の身元確認も難航しており、DNA鑑定などによって確認した人は一部にとどまる。遺体安置所が不足しているため、DNAを採取したうえで集団埋葬されたケースもあるという。
中国側でも国営メディアの報道で43人の死亡と519人の行方不明が確認されている。国境をまたぐ災害となったことで、被災者の所在確認や入国記録の照合も複雑になっている。実際、ネパールと中国の国境を通過していた外国人の家族の中には、1カ月近くたっても親族の安否を確認できていないケースがある。
被災地では現在も捜索と復旧作業が続いている。大量の土砂や岩石が広範囲に堆積しているため捜索は難しく、行方不明者の発見や身元確認には時間がかかるとみられている。一方、道路や橋などの交通インフラも大きな被害を受け、住民の生活再建が大きな課題となっている。
今回の災害をめぐっては、気候変動との関連も指摘されている。専門家による分析では、急速な温暖化がヒマラヤ地域の岩盤や氷河を不安定化させ、今回のような岩石・氷・土砂が連鎖的に崩落する危険性を高めている可能性が示されている。ただし、個々の崩落について気候変動がどの程度直接的に影響したかについては、引き続き検証が必要だ。
ネパール政府は今回の災害を教訓として、捜索・救助だけでなく、被災地の復旧や今後の災害への備えにも取り組む必要に迫られている。1カ月が経過しても被害の全容は明らかになっていない。
