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ネパール洪水、保険会社の損失数百億円規模に、死傷者関連の請求を含めず

今回の洪水では、ネパール国内の経済損失が約25億6000万ドルに達すると推計されている。死者は1200人を超え、3000人余りが行方不明になっている。
2026年9月4日/ネパール、鉄砲水が発生したヌワコット地区(ロイター通信)

ネパールと中国チベット自治区を襲った大規模洪水で、ネパールの保険会社が負担する損失額が少なくとも250億ネパールルピー(約258億円)に達する可能性が出ている。これは主に水力発電所などの商業資産への被害を対象とした試算で、死者や負傷者に関する保険金、労災補償などはまだ含まれていない。被災地域の一部では救助や被害確認が難航しており、最終的な保険損失はさらに膨らむ可能性がある。

今回の洪水では、ネパール国内の経済損失が約25億6000万ドルに達すると推計されている。死者は1200人を超え、3000人余りが行方不明になっている。特に被害が集中したのが水力発電施設で、11カ所が大きな被害を受け、発電設備だけでなく、施設へ通じる道路、トンネル、周辺インフラも被災した。

ロイター通信によると、保険業界にはすでに大規模な請求が寄せられている。ネパールの大手保険会社オリエンタル・インシュアランス・ネパール(Oriental Insurance Company Nepal)には、洪水に関連して583件、総額258億7000万ルピーの請求が提出されている。ただし、これは現時点での請求額であり、最終的に保険会社が支払う損失額を示すものではない。

今回の災害はヒマラヤ地域におけるインフラの脆弱性と保険リスクを改めて浮き彫りにした。ネパールでは水力発電が重要な産業となっている一方、山岳地帯に建設された施設は洪水や地滑り、地震など複数の自然災害にさらされている。とりわけ今回のような大規模災害では、発電所だけでなく、道路や送電網など周辺設備も同時に損傷するため、復旧費用が膨らみやすい。

保険会社にとっても今回の被害は重要な警告となる可能性がある。今後、ヒマラヤ地域の自然災害リスクがより厳しく評価されれば、保険料の引き上げや補償範囲の縮小、引受条件の厳格化につながる可能性がある。

洪水被害の全容と人的被害に関する請求が明らかになるにつれ、今回の災害はネパールの保険市場だけでなく、山岳地域の災害リスクをどう評価するかという国際的な課題にも発展しそうだ。

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