SHARE:

ネパール・チベット大洪水、死者1000人超、行方不明者4500人、カトマンズで集団埋葬

被害の全容はいまだ明らかになっていない。
2026年9月1日/ネパール、トリシュリ川沿いの水力発電施設、遺体を収容する救助隊員(AP通信)

ネパールと中国チベット自治区の国境周辺で8月26日に発生した大洪水の死者が1000人を超えた。ネパール当局によると、9月1日時点で1003人の死亡を確認し、3916人が行方不明となっている。このうち583人は外国人とされる。中国側でも16人の死亡と546人の行方不明が報告されており、被害の全容はいまだ明らかになっていない。

ネパールの首都カトマンズでは身元が確認できていない犠牲者の遺体を一時的に埋葬する作業が進められている。警察は森林近くの仮設墓地に複数の溝を掘り、遺体を順次埋葬している。墓には番号を付け、遺体の写真や身体的特徴を記録するとともにDNAを採取・保存し、後に家族が身元を確認できるようにしている。雨が続く中で衛生上のリスクも高まっており、当局は迅速な対応を迫られている。

今回の災害では、道路や橋が流失し、複数の集落が孤立した。大量の土砂や岩石が道路を塞いでいるため、救助隊の活動は難航している。ネパール当局によると、これまでに1万1814人が救助されたが、依然として多くの住民が孤立している。ヘリコプターなどを使った救援活動が続けられている。

特に懸念されているのが水力発電所で働いていた作業員の安否だ。ネパール国内の少なくとも12カ所の水力発電施設で約900人が行方不明となっており、そのうち約500人が洪水によって損壊したトンネル内に取り残されている可能性がある。軍や外国の専門家が泥や水に覆われたトンネルに入り、救助活動を続けている。

この災害はヒマラヤ地域で発生した氷河と岩盤の崩壊が引き金になったとみられる。大量の岩石、氷、融雪水が谷へ流れ込み、下流の河川を急激に増水させた。衛星画像を分析した研究者によると、岩盤の崩落はマグニチュード5.2に相当する地震として観測されるほどの規模だった。

ネパールのバレンドラ・シャー(Balendra Shah)首相は今回の災害が気候変動によってヒマラヤ地域の災害リスクが高まっていることを示していると指摘し、国際社会に対策を求めた。

中国もネパールへの救援物資を提供し、DNA鑑定や水の浄化に必要な機材、専門家を派遣する方針を示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ