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豪州、改正メディア法案を提出、巨大IT企業への支払い義務強化へ

政府側はデジタルプラットフォームがニュースによって利用者や広告収入を得ている以上、その報道を生み出すメディアへの適切な補償が必要だと主張している。
メタとグーグルのロゴ(Getty Images)

オーストラリア政府は12日、ニュースメディアの収益基盤を支えるため、巨大IT企業に対して国内の報道機関への支払いを拡大させる新たなメディア法案の内容を明らかにした。改正案ではデジタルプラットフォームがニュースコンテンツの利用をめぐって契約を結ぶ必要がある豪州メディア企業の数を、従来案の6社以上から8社以上に引き上げる。大手報道機関だけでなく、小規模な地域メディアや多様な報道機関にも資金が行き渡る仕組みにする狙いだ。

制度の柱となるのが「ニュース・バーゲニング・インセンティブ」と呼ばれる仕組みである。対象となる巨大IT企業が報道機関と十分な商業契約を結ばない場合、政府が課徴金を課すことで支払いを促す。課徴金の算定基準は企業の豪州国内における広告収入で、率は2.5%となっている。対象にはGoogle、Meta、TikTokなど、豪州で大規模な検索・SNSサービスを展開する企業が含まれ、従来の制度よりも対象範囲が広がる。

さらに改正案では、集められた資金の5%を非営利のニュース通信社であるAAP(オーストラリアン・アソシエーテッド・プレス)に配分する。1社のメディアとの契約額が、企業全体の支払い義務額の25%を超えないよう上限を設ける規定も再導入され、特定の大手メディアに資金が集中することを防ぐ。政府はこうした仕組みによって、地域報道や公共性の高いジャーナリズムを含む、より幅広い報道体制を維持したい考えだ。

オーストラリアは2021年、GoogleやMetaなどにニュースコンテンツへの対価支払いを促す世界でも先駆的な制度を導入した。しかしMetaがニュースへの支払いを停止するなど、既存制度を回避する動きも出ていた。今回の改正はこうした抜け道を塞ぎ、ニュースを自社サービスに掲載するかどうかにかかわらず、巨大プラットフォームに報道産業への資金提供を求める方向へ制度を転換するものだ。

政府側はデジタルプラットフォームがニュースによって利用者や広告収入を得ている以上、その報道を生み出すメディアへの適切な補償が必要だと主張している。一方、企業側からは、政府が民間企業間の取引を事実上強制することへの反発も出ており、制度設計をめぐる対立はさらに強まる可能性がある。

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