中東の原油輸出、戦前水準を一時上回る、ホルムズ海峡でタンカー攻撃相次ぐ中 2026年9月
ホルムズ海峡は戦争前、1日約125隻の大型商船が通過し、世界の原油・LNG供給の約2割を担っていた。
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中東からの原油輸出が9月の一部期間で戦前の水準を上回った。船舶追跡会社Kpler(ケプラー)によると、9月30日時点の中東産原油輸出量の7日間移動平均は日量1830万バレルとなり、イラン戦争が始まる前の平均約1800万バレルを上回った。9月には14日間、輸出量が戦前水準を超えたという。
輸出回復を主導したのはサウジアラビアだ。同国は9月10日に東西パイプラインが攻撃を受けた後も、紅海側とペルシャ湾側の双方から原油を積み出す体制を整えた。イラクも8月にイランからホルムズ海峡通過の許可を得たことで、バスラ産原油を積載するタンカーの運航を増やしている。
物流面では、ホルムズ海峡を通過した原油をオマーン湾などで別のタンカーへ積み替える船舶間輸送が拡大している。Vortexa(ボルテクサ)によると、中東の原油・コンデンセート輸出量も14日間平均で日量1860万バレルに達し、過去10年間の季節平均を上回った。液化天然ガス(LNG)のホルムズ海峡通過量も9月に2月以降で最高となった。
しかし、輸出量の回復がそのまま物流の正常化を意味するわけではない。ホルムズ海峡周辺ではタンカーへの攻撃が相次ぎ、海運情報会社Marisks(マリスクス)によると、直近1週間だけで少なくとも7件の攻撃が報告された。10月1日には大型タンカー「カジマIII」が正体不明の飛翔体による攻撃を受けて火災が発生し、10月4日にはリベリア船籍のタンカーも攻撃を受け、機関室が損傷した。いずれも死者は出ていない。
ホルムズ海峡は戦争前、1日約125隻の大型商船が通過し、世界の原油・LNG供給の約2割を担っていた。英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は10月2日以降、海峡やアデン湾で少なくとも1日1件の攻撃を報告している。
輸出量が戦前水準に戻りつつある一方、タンカー攻撃と高い輸送コストが続けば、現在の輸出回復を長期間維持できるかはなお不透明だ。
