チリ、犬から人への狂犬病を排除、WHOが南米初の達成を認定
今回のチリの認定は、狂犬病の根絶が高度な医療技術だけでなく、動物への継続的なワクチン接種、感染監視、市民教育、自治体を含む地域社会の取り組みによって実現できることを示した。
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世界保健機関(WHO)は14日、南米チリについて、「犬から人への狂犬病感染」を公衆衛生上の問題として排除したと認定した。南米の国としては初めての達成となる。チリでは1972年を最後に、犬から人への狂犬病感染例が確認されておらず、半世紀以上にわたる予防と監視の取り組みが今回の認定につながった。
狂犬病は感染した動物の唾液を介して広がり、かまれることで人に感染する。発症後の致死率は極めて高い一方、感染前の動物へのワクチン接種や、感染の可能性がある人への迅速な予防接種などによって防ぐことができる。WHOによると、世界では現在も年間約6万人が狂犬病で死亡しており、その大半は犬による感染とされる。
チリ政府は長年、犬を対象としたワクチン接種を中心に対策を進めてきた。動物病院などでの接種に加え、自治体や保健当局が地域を巡回する戸別の犬へのワクチン接種も実施し、犬の個体数管理や住民への啓発活動も組み合わせた。感染した動物や感染が疑われる事例を早期に把握する監視体制も維持されてきた。
チョマリ(May Chomalí)保健相は14日、国と自治体、地域社会が連携して取り組んだ成果と強調した。WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長も、今回の認定は公衆衛生への継続的な投資が地域社会を守る成果につながることを示すものだと評価した。
アメリカ大陸では、犬を介した人の狂犬病は長期的に減少している。1983年以降、米州で報告された犬由来の人の狂犬病は98%以上減少し、現在では年間数例程度にまで低下している。
2019年にはメキシコが犬から人への狂犬病を公衆衛生上の問題として排除したとWHOから認定されている。
今回のチリの認定は、狂犬病の根絶が高度な医療技術だけでなく、動物への継続的なワクチン接種、感染監視、市民教育、自治体を含む地域社会の取り組みによって実現できることを示した。ただし、野生動物などを介した狂犬病のリスクまで消えたことを意味するものではなく、チリでも監視と予防を継続する必要がある。
