ベラルーシ大統領が米特使と会談、制裁解除を要求、政治犯釈放を外交カードに
ルカシェンコ氏は米国との経済関係をめぐって「かなりの数の合意に達した」と述べ、米金融機関シティバンクに凍結されているとするベラルーシ資産の解除を求めた。
と米国のウクライナ担当副特使ジョン・コール氏(AP通信).jpg)
ベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は15日、首都ミンスクでコール(John Coale)米特使と会談し、米国による制裁の解除を求めた。ルカシェンコ氏は米国との経済関係をめぐって「かなりの数の合意に達した」と述べ、米金融機関シティバンクに凍結されているとするベラルーシ資産の解除を求めた。
ルカシェンコ氏はさらに、ベラルーシ産肥料の米国への輸出や、今後の追加的な制裁解除について協議する意向を示した。長年にわたり西側諸国から孤立してきたベラルーシにとって、制裁緩和と経済関係の改善は重要な課題となっている。
トランプ(Donald Trump)大統領が2025年に政権へ復帰して以降、米国の仲介によってベラルーシでは政治犯の釈放が相次いでいる。3月にはルカシェンコ氏が250人の政治犯を釈放する一方、米国は国営銀行2行と財務省への制裁を解除し、主要なカリ肥料生産企業も制裁対象から外した。4月にはポーランドとの間で10人が釈放され、拘束されていた著名ジャーナリストも解放された。
一方、ベラルーシ国内の弾圧が終わったわけではない。人権団体ビアスナによると、現在も912人の政治犯が収監され、その中には20人のジャーナリストが含まれる。
ビアスナは政治犯の釈放と引き換えに制裁解除を引き出す一方、新たな政治犯を拘束する「回転ドア政策」が続いていると批判している。ルカシェンコ氏は30年以上にわたり強権的な統治を続けており、ロシアによるウクライナ侵攻でも自国領土の使用を認めたことから、西側の制裁を受けてきた。
今回の会談は、米国が人権問題をめぐる圧力を維持しながら、政治犯釈放を足掛かりにベラルーシとの関係改善を進める外交の一環とみられる。ルカシェンコ氏にとっては、制裁解除による経済的利益を得ると同時に、西側との関係を改善し、ロシア依存を抑える狙いもあるとみられる。
