コロンビア大統領、共産主義的とみなす展示を撤去、国立博物館で抗議デモ
撤去された展示物は、女性解放運動やLGBTQ+の権利運動、コロンビアの政治的暴力や和平の歴史などに関連するものだ。
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コロンビアのデラエスプリエジャ(Abelardo De La Espriella)大統領が首都ボゴタの国立博物館から数十点の展示物を撤去し、抗議デモが広がっている。右派のデラエスプリエジャ氏は文化施設が「無神論的な共産主義」に取り込まれることを阻止すると主張。今回の措置を文化的な「反革命」と位置づけている。
撤去された展示物は、女性解放運動やLGBTQ+の権利運動、コロンビアの政治的暴力や和平の歴史などに関連するものだ。2016年に政府と旧左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」が和平合意に署名した際に使われたペンや、1990年に暗殺された元ゲリラ指導者カルロス・ピサロ(Carlos Pizarro Leongómez)氏の大統領選挙ポスターなども含まれる。これらは同国の社会運動や紛争の歴史を伝える資料として展示されてきた。
政府は博物館が特定の政治思想を広めたり、左翼ゲリラを英雄視したりする場になってはならないと説明する。一方、反対派は、政権が自らの保守的な価値観に沿って歴史の語り方を変え、左派や性的少数者、先住民、アフリカ系住民などの存在を公的な記憶から排除しようとしていると訴える。
博物館前では先週、芸術家や学生、市民団体などによる抗議活動が相次いだ。参加者は展示撤去を検閲と批判し、警察が催涙ガスや放水などでデモを排除する場面もあった。国内の複数の美術館も、展示の独立性を守るよう政府に求めている。
こうした中、ボゴタの裁判所は10月19日、撤去された資料を安全に保管し、法的判断が出るまで展示内容のさらなる変更を控えるよう政府に命じた。裁判所は撤去が表現の自由や歴史的記憶を守る権利を損なう恐れがあると指摘した。
デラエスプリエジャ政権は文化省が所管する他の博物館でも展示や運営方針を見直す考えだ。米国でもトランプ政権が博物館の歴史展示を批判しており、右派政権による文化政策の見直しが国際的な議論を呼んでいる。
今回の問題は国家が歴史をどのように記録し、異なる社会集団の経験をどこまで公的に伝えるべきかという課題を改めて浮き彫りにした。
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