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右派の返り咲きに危機感、ブラジル左派がSNSと街頭でルラ氏支援、大統領選決選投票へ総力戦

左派が急速にデジタル活動へ転じた背景には、ボルソナロ前政権の記憶がある。
2026年10月18日/ブラジル、リオデジャネイロ市内、ルラ大統領の支持者(AP通信)

ブラジルの左派勢力が、10月25日に行われる大統領選の決選投票を前に、SNSと街頭デモを組み合わせた異例の選挙運動を展開している。右派のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員が第1回投票で現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領を約200万票上回ったことが、左派支持者に強い危機感を与えたためだ。左派はルラ氏の再選を目指し、これまで以上にデジタル空間での発信と集会に力を入れている。

AP通信によると、ルラ氏の支持者は最大都市サンパウロやリオデジャネイロなどで大規模集会を開き、近年では例を見ない規模の動員を実現した。SNS上でも支持拡大に向けた活動が活発化している。データ分析会社によると、第1回投票後、ルラ氏のSNSアカウントは10月5日以降の累計で約2億件の反応を集めた一方、フラビオ氏は約5400万件にとどまった。決選投票に向けた期間でも、ルラ氏側の反応数が大きく上回っている。

活動の一例が、支持者らが立ち上げた「ボラ・ルラ(ルラを応援しよう)」というオンラインプラットフォームだ。全国各地の支持集会を掲載し、利用者が近隣のデモを探せる仕組みを設けた。地域ごとのデータを分析して、自治体の関心に合わせた情報発信も行っている。また、ルラ氏の支持者を集めたWhatsAppのチャンネルには800万人以上が参加し、投稿の拡散などを通じて選挙運動を支援している。右派も対抗するオンライン組織を設け、支持者の動員を進める。

左派が急速にデジタル活動へ転じた背景には、ボルソナロ前政権の記憶がある。ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領は新型コロナ対策やアマゾンの森林破壊を巡って批判を浴び、2022選挙敗北後には民主主義を覆そうとしたとして禁錮27年の実刑判決を受けた。左派支持者は息子のフラビオ氏が当選すれば、極右政治が再び強まり、少数者の権利や環境政策にも影響が及ぶと警戒している。

第1回投票では、有権者約1億6000万人のうち3300万人以上が棄権した。ルラ陣営は、この層への働きかけが勝敗を左右するとみている。一方、専門家はSNS上の反応がそのまま投票行動に結び付くとは限らないと指摘する。議会選挙では右派が議席を伸ばし、フラビオ氏が勝利すれば、司法や立法機関との関係でも有利な立場を得る可能性がある。

今回の選挙は、ブラジル政治の方向性を決める重要な局面となっている。左派のデジタル動員が実際の票に反映されるか、そして有権者が極右への回帰を選ぶのか、決選投票に注目が集まっている。

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