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米国、対ブラジル25%追加関税発動、地域経済への影響避けられず

米通商代表部(USTR)はブラジルの電子決済制度やエタノール市場への参入条件、違法伐採への対応などに問題があると主張し、追加関税を正当化している。
ブラジルのルラ大統領(左)とトランプ米大統領(Getty Images/AFP通信)

米国政府は22日、ブラジルから輸入する幅広い製品に対する25%の追加関税を発動した。対象は農業機械、木材製品、紙製品、エタノール、履物、衣料品などで、年間70億~110億ドル相当の対米輸出に影響が及ぶ見通しだ。

今回の措置はトランプ政権が通商法301条に基づく調査を経て実施したもので、不公正な貿易慣行への対抗措置と位置付けている。一方、米国市場への影響を抑えるため、牛肉やコーヒー、航空機部品など米国経済への影響が大きい主要輸入品は対象から除外された。

米通商代表部(USTR)はブラジルの電子決済制度やエタノール市場への参入条件、違法伐採への対応などに問題があると主張し、追加関税を正当化している。これに対しブラジル政府は、米国は長年にわたり対ブラジル貿易で黒字を維持しており、「不公正な貿易相手国」とする米側の主張には根拠がないと反発した。ルラ政権は外交ルートを通じて関税撤廃を求める交渉を続ける方針を示している。

追加関税の影響は、特に製造業や労働集約型産業で大きいとみられる。サンパウロ州フランカに集積する履物産業では、米国向け輸出の落ち込みにより今年の輸出額が7%余り減少するとの予測があり、企業は生産縮小や人員削減を迫られる可能性がある。

また、農業機械や木材、紙製品なども価格競争力の低下が避けられず、輸出企業は新たな販路の開拓を急いでいる。一方、コーヒーや牛肉など主要農産物が関税対象から外れたことで、ブラジル経済全体への打撃は一定程度抑えられるとの見方もある。

ブラジル政府は22日、関税の影響を受ける企業を支援するため、総額185億レアルの融資・信用供与制度を発表した。このうち135億レアルを財務省、50億レアルを国営開発銀行(BNDES)が拠出し、鉄鋼、アルミニウム、履物など打撃の大きい産業を中心に、運転資金や設備投資、市場開拓を支援する。政府は今回の支援策を、米国の関税措置に対応する経済対策の第3弾と位置付け、企業の資金繰り悪化や雇用への影響を最小限に抑えたい考えだ。

一方、米国はブラジルに対し、強制労働の疑いに関する別の調査も進めており、24日に調査結果が公表される予定となっている。仮に追加制裁が決定されれば、さらに12.5%の関税が上乗せされ、一部品目では関税率が37.5%に達する可能性がある。ブラジル政府は二重課税を避けるよう米側に求めているが、現時点で協議の行方は不透明だ。

今回の25%関税は米国の保護主義的な通商政策を象徴する措置となる一方、両国の貿易関係やブラジル産業の競争力に中長期的な影響を及ぼす可能性が高く、交渉の行方に注目が集まっている。

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