ブラジル政府がDiscord運営会社を提訴、子どもの保護に不備
連邦政府が提出した25ページの訴状では、Discordの年齢確認システムや利用者の安全を守る仕組みに「深刻な欠陥」があると指摘している。
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ブラジル政府は8月26日、米国のコミュニケーションプラットフォーム「Discord(ディスコード)」を運営する企業に対し、子どもや青少年を十分に保護していないとして連邦裁判所に提訴した。政府は未成年者の安全確保を怠ったことで集団的な心理的被害を生じさせたとして、5億レアル(約154億円)の損害賠償を求めている。
今回の提訴の背景には、7月にブラジルで発生した13歳少女の自殺事件がある。この事件では、Discord上で他の利用者から自殺を促された疑いがあり、当局はサービス上の安全対策に強い問題があるとして調査を進めてきた。8月にはブラジル国家データ保護局(ANPD)が未成年者の安全を十分に確保できていないとしてDiscordのライブ配信機能の停止を求め、Discordはブラジル国内でライブ配信を停止した。事件をめぐっては5人の少年少女が逮捕されている。
連邦政府が提出した25ページの訴状では、Discordの年齢確認システムや利用者の安全を守る仕組みに「深刻な欠陥」があると指摘している。政府側は子どもや青少年など脆弱な立場にある利用者を保護するブラジル法上の義務に違反していると主張し、裁判所に対して、保護者による管理機能の強化、法執行機関との協力拡大、有害なコンテンツを自動的に検出・削除する仕組みの導入などを命じるよう求めている。
一方、Discord側は今回の訴訟を「行き過ぎたもの」と批判し、自社の安全対策やブラジル法令への対応を正確に反映していないと反論している。また、7月の事件について、少女の自殺そのものがDiscord上でライブ配信されたとの見方を否定し、問題のある集団や利用者を排除するための対策を講じていると説明している。
ブラジルでは近年、未成年者のインターネット利用に対する規制強化が進んでいる。16歳未満の利用者について保護者による監督を求める制度や、単なる自己申告に頼らない年齢確認などが導入され、DiscordだけでなくTikTokなど大手プラットフォームにも厳しい対応が取られている。
今回の訴訟はオンラインサービスに対して未成年者を有害コンテンツから守る責任をどこまで負わせるべきかという、世界的な議論をさらに強める可能性がある。
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