シリアで国際カード決済再開、金融システムの世界復帰へ一歩
米国が24日にシリアを「テロ支援国家」から正式に除外した直後の動きであり、長年にわたって国際金融網から孤立してきたシリアが、世界経済へ復帰する大きな一歩となった。
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シリアで8月26日、VisaとMastercardによる国際カード決済が相次いで再開された。米国が24日にシリアを「テロ支援国家」から正式に除外した直後の動きであり、長年にわたって国際金融網から孤立してきたシリアが、世界経済へ復帰する大きな一歩となった。ロイター通信によると、両社による国際カード取引は15年以上ぶりとなる。
Mastercardはカタール国立銀行(QNB)と協力し、シリア中央銀行のラスラン(Safwat Raslan)総裁が国際発行のMastercardを使って、国内の承認済み加盟店で決済する試験取引を行った。Visaもレバノンのフランサバンクとシリアの決済企業Paymeraと連携して実取引を行い、シャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領が首都ダマスカスでVisaカードを使う場面も公開された。
今回の動きの背景には、米国による政策転換がある。シリアは1979年以来、米国の「テロ支援国家」に指定されてきたが、2024年のアサド政権崩壊後、シャラア暫定政権は国際社会との関係正常化を進めてきた。米国は今回の指定解除により、関連する金融取引への制約を取り除き、シリアの復興や海外投資を促す環境を整えた。
国際カード決済の再開は、単にカードを利用できるようにするだけではない。海外からシリアを訪れる旅行者が現地でカードを使えるようになれば、ホテルや飲食店など観光関連産業の利便性が高まり、海外企業にとってもシリアで事業を行う際の決済環境が改善する。シリア中銀は国際銀行とのコルレス関係の再構築を進め、決済システムの近代化やコンプライアンス、サイバーセキュリティの強化にも取り組んでいる。
ただし、今回の取引は国際決済の全面的な正常化を意味するものではなく、利用可能な店舗やサービスを段階的に拡大していく必要がある。長年の制裁と内戦によって弱体化した銀行システムを再建し、国際的な信頼を回復できるかが課題となる。
VisaとMastercardの再開はシリア経済が孤立から脱し、国際金融システムへ復帰する過程が本格的に始まったことを示す象徴的な出来事となった。
