ブラジル大統領選、フラビオ・ボルソナロ氏が犯罪対策計画を発表
発表された計画は12項目からなり、麻薬取引や武器密輸などで知られる国内最大の犯罪組織「PCC(首都第一コマンド)」と「CV(赤コマンド)」をテロ組織に指定することが柱となっている。
.jpg)
10月に予定されているブラジル大統領選挙を前に、フラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員が18日、大規模な犯罪対策計画を発表し、治安問題を選挙戦の主要争点として打ち出した。ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男であるフラビオ氏は犯罪組織への強硬姿勢を訴えることで、再選を目指すルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領との差を縮めたい考えだ。
発表された計画は12項目からなり、麻薬取引や武器密輸などで知られる国内最大の犯罪組織「PCC(首都第一コマンド)」と「CV(赤コマンド)」をテロ組織に指定することが柱となっている。また、刑事責任年齢を現行の18歳から16歳へ引き下げるほか、国境地帯への特殊部隊配備や、最高警備レベルの刑務所5カ所を新設する構想も盛り込まれた。フラビオ氏は組織犯罪に対して国家がより強力な権限を持つ必要があると主張している。
ブラジルでは長年にわたり都市部を中心に治安悪化が深刻な課題となってきた。こうした状況を背景に、2018年の大統領選ではボルソナロ氏が「法と秩序」を掲げて支持を拡大した経緯がある。フラビオ氏も同様に、犯罪への不安を抱える有権者に訴えかけることで保守層の結集を図っている。
一方で、この構想には批判も少なくない。ルラ氏は国内の犯罪組織をテロ組織と位置付けることは国際的な影響を招きかねないと警告してきた。法曹関係者の中からも、外国政府がブラジル国内の治安政策や捜査に関与する余地が広がる可能性があるとの懸念が示されている。実際、トランプ(Donald Trump)米大統領はブラジルの犯罪組織を「外国テロ組織」に指定し、これを巡って両国関係に緊張が生じている。
選挙情勢を見ると、最新の世論調査ではルラ氏が49.3%の支持率を獲得、フラビオ氏の36.8%を大きく上回っている。しかし、治安問題は国民の関心が高いテーマであり、選挙戦の進展によっては支持率が変動する可能性もある。
ただし、フラビオ氏自身も逆風を抱える。父親に関するドキュメンタリー制作資金を巡る問題や、金融機関バンコ・マスターを巡る捜査との関連が報じられ、説明責任を求める声が強まっている。さらにボルソナロ一家を巡っては、弟のエドゥアルド・ボルソナロ(Eduardo Bolsonaro)元下院議員が父親の裁判を巡る米国への働きかけで実刑判決を受けるなど、政治的スキャンダルも続いている。
治安対策を軸に支持拡大を目指すフラビオ氏と、現職として安定した支持基盤を持つルラ氏の対決構図はブラジル政治の今後を占う最大の焦点となりそうだ。犯罪対策を優先するのか、それとも人権や法制度との均衡を重視するのか。有権者の判断が注目されている。
.jpg)
