ドイツ州議会選挙、ロシアの偽情報工作が活発化、主流政党が標的に
メルツ政権は現在のところ、問題となっている投稿や動画の拡散規模は限定的で、大規模な世論操作には至っていないと分析している。
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ドイツの治安当局は9月に予定されるベルリン、ザクセン・アンハルト州、メクレンブルク・フォアポンメルン州の州議会選挙を前に、ロシアの偽情報活動が活発化しているとの見方を強めている。ロイター通信によると、こうした活動は極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の競争相手を標的とし、有権者の判断を混乱させることを狙っているという。
ロイターは治安筋の話しとして、「今回確認されている情報工作は”マトリョーシカ”と呼ばれる作戦の一環とみられ、ロシア国内から複数の組織を通じて統括されている」と報じた。
SNS上では実在するドイツの報道機関やニュースサイトを装った偽の記事や画像、動画が拡散され、与党・キリスト教民主同盟(CDU)、社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)など主流政党の政治家に対し、横領や性的虐待など事実無根の疑惑を流布する投稿が確認されている。生成AIなどの技術を利用して本物と見分けにくいコンテンツが作成されるケースもあり、情報の真偽を見極めることが一層難しくなっているという。
世論調査では、AfDは今回の州選挙で大幅な議席増が予想されており、ザクセン・アンハルト州では第1党となる可能性も指摘されている。同党は対ロシア制裁の見直しやウクライナ支援の縮小を訴えるなど、他の主要政党とは異なる外交姿勢を示し、ロシア側が世論への影響力拡大を狙っているとの見方が広がっている。一方で、AfDはロシア政府との組織的な関係を否定している。
メルツ政権は現在のところ、問題となっている投稿や動画の拡散規模は限定的で、大規模な世論操作には至っていないと分析している。しかし、内務省や外務省は外国勢力による選挙介入の試み自体を深刻に受け止めており、SNS事業者との連携や情報分析を強化している。
ロシア政府は関与を否定しているが、ドイツ当局はモルドバやアルメニアなど他国でも類似の情報工作が確認されているとして、継続的な監視が必要だとの立場を示している。今回の事案は欧州各国が直面するサイバー空間を利用した世論操作や民主主義への介入という新たな安全保障上の課題を改めて浮き彫りにした。
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