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ボリビア首都で反政府デモ激化、モラレス元大統領の支持者が大暴れ

モラレス派の支持者数千人はアンデス山脈地帯を6日間かけて行進した後、ラパス中心部へ到着した。
2026年5月18日/ボリビア、首都ラパス、モラレス元大統領の支持者たち(AP通信)

南米ボリビアで18日、モラレス(Evo Morales)元大統領を支持するデモ隊が首都ラパスに到達し、政情不安が一段と深刻化している。抗議デモは燃料不足や物価高騰を背景に全国へ拡大し、発足から半年のパス政権にとって最大の危機となっている。

モラレス派の支持者数千人はアンデス山脈地帯を6日間かけて行進した後、ラパス中心部へ到着した。デモ隊の一部はダイナマイトや投石具を携行し、「大統領辞任」を求めるシュプレヒコールを上げた。これに対し、警察は催涙ガスで応戦し、市内では爆発音が響くなど緊張が高まった。

今回の抗議運動は、当初は農地担保法への反発や燃料不足への不満から始まった。しかし、教員組合や鉱山労働者、輸送業者など複数の団体が合流したことで、全国規模の反政府運動へ発展した。主要道路では封鎖が続き、各地で食料や医薬品、燃料の供給不足が発生している。政府によると、道路封鎖の影響で病院への搬送が遅れる事態も起きている。

右派のパス(Rodrigo Paz)大統領は2025年の選挙で勝利し、約20年続いた左派体制に終止符を打った。だが、深刻な経済危機を止めることはできず、外貨不足や財政赤字、燃料供給難への対応を迫られている。政府は歳出削減や燃料補助金の見直しを進めているが、こうした緊縮策が市民生活を圧迫しているとの批判が強い。

パス政権は一部の労働団体との交渉で妥結に成功したものの、モラレス派を中心とする農村部の抗議は収束していない。政府は警察や軍を各地に派遣し、道路封鎖の解除を進める一方、これまでに多数の負傷者と90人以上の逮捕者が出ている。

一方、モラレス氏は未成年者との関係を巡る刑事告発問題で逮捕状が出されており、現在地方に潜伏している。同氏はSNSを通じて「燃料や食料、インフレ問題が解決されない限り蜂起は止まらない」と主張し、抗議デモを支持している。これに対し政府側は、モラレス氏が政権転覆を狙って混乱を扇動していると非難した。

事態を受け、アルゼンチンなど中南米8カ国は「民主秩序を不安定化させる行為」を拒否する共同声明を発表した。米国務省もパス政権支持を表明するなど、ボリビア情勢は地域全体の懸念材料となっている。

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