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メキシコの人道支援船がキューバ首都に到着、経済危機続く中

船には医薬品や食料、発電設備などの支援物資が積み込まれており、深刻な経済危機に直面するキューバへの国際支援の一環として実施された。
2026年5月18日/キューバ、ハバナ湾(AP通信)

メキシコから出航した人道支援船が18日、キューバの首都ハバナ港に到着した。船には医薬品や食料、発電設備などの支援物資が積み込まれており、深刻な経済危機に直面するキューバへの国際支援の一環として実施された。支援活動にはメキシコやウルグアイの市民団体が参加し、米国による対キューバ制裁強化への抗議の意味合いも含まれている。

今回ハバナに到着したのは「エストレージャ・デル・マール(海の星)」と名付けられた貨物船で、メキシコのベラクルス港を出発した。積荷には抗生物質や医療機器、粉ミルク、保存食、さらには停電対策用の小型発電機などが含まれている。キューバでは慢性的な物資不足が続き、特に医療品や電力供給の不足が市民生活に深刻な影響を及ぼしている。

キューバ経済は近年、観光収入の低迷やインフレ、エネルギー不足によって急速に悪化している。特に米国による経済制裁の強化が打撃となり、第1次トランプ政権時代に導入された制裁の多くが現在も維持されている。米政府はキューバを「テロ支援国家」に再指定し、国際金融取引や燃料輸入が制限されている。これにより、キューバ国内では長時間停電や食料不足が常態化し、多くの市民が国外へ流出している。

支援船の到着は米国とキューバの関係悪化が続く中で行われた。米国務省はキューバ政府による反体制派弾圧やロシアとの軍事協力を理由に追加制裁を検討している。一方、キューバ政府は「米国による経済封鎖こそが人道危機の主因だ」と反発し、今回の支援活動を「国際連帯の象徴」と歓迎した。ハバナ港では政府関係者や支援団体メンバーが船を出迎え、積荷の一部は即日病院に移された。

支援活動に関わったメキシコの市民団体は18日、「キューバ市民は政治対立の犠牲になっている」と訴え、人道支援を政治問題から切り離すべきだと訴えた。メキシコ政府も近年、キューバとの関係改善を進め、医師派遣やエネルギー協力を拡大している。ウルグアイの左派団体も今回の活動に参加し、中南米諸国の連帯を強調した。

一方で、米国内のキューバ系団体からは「支援物資が政府に利用される可能性がある」との批判も出ている。反政府活動家らは、物資不足の根本原因は共産党の経済運営失敗と政治統制にあると非難してきた。経済危機と外交対立が深まる中、キューバを巡る人道支援は今後も国際政治の争点となりそうだ。

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