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ボリビア大統領が内閣改造示唆、全国各地で抗議デモ続く、暴動も

ボリビアでは5月初旬から、燃料補助金削減や緊縮政策に反発するデモが相次いでいる。
2026年5月20日/ボリビア、首都ラパス、モラレス元大統領の支持者たち(ロイター通信)

南米ボリビアのパス(Rodrigo Paz)大統領は20日、大規模な抗議デモが続く中、内閣改造を実施する方針を明らかにした。同時に政府は、内政干渉に当たるとして駐ボリビア・コロンビア大使を国外追放すると発表し、地域外交にも緊張が広がっている。経済危機を背景とする抗議デモは全国規模に拡大し、発足から半年余りのパス政権は重大な局面を迎えている。

ボリビアでは5月初旬から、燃料補助金削減や緊縮政策に反発するデモが相次いでいる。首都ラパスでは鉱山労働者や農民団体、運輸関係者らが道路封鎖や行進を展開し、一部では警官隊との衝突も発生した。参加者の中にはパス氏の辞任を求める声もあり、国内情勢は不安定化している。ロイター通信によると、銀行が一時的に営業を停止するなど、市民生活への影響も深刻化している。

パス氏は記者会見で「大統領一人ですべての問題を解決することはできない」と述べ、閣僚再編によって政権運営を立て直す考えを示した。ただし、具体的な人事や実施時期については明言しなかった。政府はこれまで最低賃金引き上げや社会給付拡充を打ち出してきたが、左派政権時代から続く外貨不足や燃料供給不安、インフレ圧力が続き、国民の不満は収まっていない。

こうした中、政府はコロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領の発言に強く反発した。ペトロ氏はボリビア情勢について「民衆蜂起」と表現し、仲介の意思を示していたが、ボリビア政府はこれを主権侵害だと非難。駐ボリビア・コロンビア大使に国外退去を命じた。外務省は「外交関係断絶ではない」と説明しているものの、左派色の強いコロンビア政権との関係悪化は避けられない情勢だ。

背景には、ボリビア政治の急激な転換がある。昨年の大統領選で勝利した中道右派派のパス氏は市場重視の経済改革を掲げ、約20年続いた左派政権時代からの脱却を進めてきた。しかし、燃料補助金縮小や財政再建策は生活コストを押し上げ、地方や労働組合の反発を招いた。さらに、逮捕状が出ているモラレス(Evo Morales)元大統領の支持勢力が抗議デモを後押ししているとの見方もあり、政争の様相も強まっている。

米国や欧州各国は事態を注視し、対話による解決を呼びかけている。だが、道路封鎖による物流停滞や燃料不足は深刻で、政権が早期に安定を取り戻せるかは不透明なままだ。内閣改造が国民の不満を抑え込む切り札となるかどうかが今後の焦点となる。

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