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米カリフォルニア州の工場で化学物質タンクの異常加熱続く、数万人避難

問題のタンクにはプラスチック製造などに使われる「メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)」が約6000〜7000ガロン貯蔵されている。
2026年5月22日/米カリフォルニア州ガーデングローブ、化学物質を保管する工場(AP通信)

カリフォルニア州南部で化学物質を貯蔵したタンクの異常加熱が続き、周辺住民約4万人に避難命令が出される事態となっている。現場はロサンゼルス近郊オレンジ郡ガーデングローブにある航空機部品メーカー「GKNエアロスペース」の施設で、当局は23日時点でタンクの爆発や化学物質流出を防ぐため、24時間態勢で冷却作業を続けている。

問題のタンクにはプラスチック製造などに使われる「メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)」が約6000〜7000ガロン貯蔵されている。この化学物質は引火性が高く、加熱によって有毒な蒸気を放出する危険がある。オレンジ郡消防局によると、タンクは22日に過熱し、蒸気を放出し始めた。当初は状況改善が見込まれたものの、バルブの損傷が確認され、事態が悪化したという。

当局はタンクが破損して化学物質が漏れ出すか、あるいは「熱暴走」によって爆発する可能性があると警告している。現場では遠隔操作の放水装置やドローンを用いてタンク温度を監視しながら冷却を実施しているが、安全確保には至っていない。周辺には他の化学タンクもあるため、爆発が連鎖的被害を引き起こす恐れも指摘されている。

避難命令はガーデングローブのほか、アナハイム、ウェストミンスター、サイプレスなど周辺5市にも拡大された。避難所として高校施設などが開放され、多くの住民が避難を余儀なくされている。一方で、一部住民は避難を拒否しているとされ、当局は「これは予防措置ではなく危機だ」と繰り返し警告している。

保健当局も23日、蒸気にさらされることで呼吸器障害や目の痛み、吐き気、頭痛などを引き起こす可能性があるとして注意を呼びかけた。現時点で死傷者は確認されていないが、住民の不安は高まっている。現場はディズニーランドから2キロ未満の距離にあるが、テーマパーク自体には避難命令は出されていない。

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