中国・山西省の炭鉱爆発、死者82人に、行方不明者の捜索続く
中国中央テレビ(CCTV)によると、爆発後の坑道内には高濃度の一酸化炭素が充満し、救助活動は難航した。
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中国北部・山西省長治市の炭鉱で発生した爆発事故について、地元当局は23日午後までに82人が死亡したと発表した。事故は沁源(しんげん)県にある炭鉱で22日午後に発生、坑内では当時247人が作業していた。201人が救出されたものの、その多くが有毒ガスを吸い病院へ搬送され、なお数人の行方が分かっていない。今回の事故は中国で近年発生した炭鉱事故としては最悪規模となった。
中国中央テレビ(CCTV)によると、爆発後の坑道内には高濃度の一酸化炭素が充満し、救助活動は難航した。現場には700人以上の救助隊員や医療関係者が投入され、換気設備や大型機械を使った捜索が続けられている。生還した作業員は「突然煙が広がり、硫黄のような臭いがした」と証言しており、坑内は一時騒然となったという。さらに、実際の坑道構造と提出されていた図面が一致しないことも発覚し、救助作業を複雑にした。
事故を起こした炭鉱は地元企業が運営し、以前からガス濃度が高く災害リスクが指摘されていた。当局は運営側に「重大な法令違反」があったと明らかにし、関係者の一部を拘束した。違反内容の詳細は公表されていないが、安全管理体制や換気設備の運用に問題があった可能性がある。中央政府は調査チームを現地に派遣し、事故原因の徹底調査を進めている。
習近平(Xi Jinping)国家主席は全力で行方不明者の救助に当たり、再発防止を徹底するよう指示し、李強(Li Qiang)首相も全国の炭鉱に対する安全点検強化を命じた。政府は近年、老朽化した炭鉱の閉鎖や安全基準の強化を進め、炭鉱事故による死者数は減少傾向にあった。しかし、石炭需要の高まりを背景に生産拡大が優先され、地方では安全対策が不十分なまま操業が続くケースも指摘されている。
山西省は中国最大の石炭生産地で、全体の石炭供給の約3割を担う。中国は再生可能エネルギー導入を進める一方、依然として石炭火力発電への依存度が高く、エネルギー供給を支えるため炭鉱操業を継続している。だが、過酷な労働環境や安全投資不足による事故が後を絶たない。2009年には黒竜江省で108人が死亡する爆発事故が発生し、今回の事故はそれ以来最悪の炭鉱災害とみられている。中国のエネルギー政策と産業安全の課題を改めて浮き彫りにした形だ。
