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米軍がベネズエラ首都で迅速対応訓練を実施、抗議デモも

今回の訓練は今年1月に当時のマドゥロ大統領が失脚して以降、米国とベネズエラの関係が大きく変化する中で実施された。
2026年5月23日/ベネズエラ、首都カラカス上空を飛行する米軍のオスプレイ(AP通信)

南米ベネズエラ首都カラカスで23日、米軍が在ベネズエラ・米国大使館を舞台に海兵隊による即応訓練を実施した。訓練ではオスプレイ2機が大使館上空を飛行した後、敷地内の駐車場に着陸し、海兵隊員が機体から展開した。米国大使館は「迅速な軍事対応能力を維持することは、ベネズエラだけでなく世界各地での任務遂行に不可欠だ」と説明している。

今回の訓練は今年1月に当時のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が失脚して以降、米国とベネズエラの関係が大きく変化する中で実施された。両国は長年にわたり対立関係にあったが、マドゥロ政権崩壊後に外交関係を回復、米国は2カ月にカラカスの大使館を正式に再開していた。ベネズエラ政府も今週初めの段階で演習の実施を公表しており、外務省は「医療上の緊急事態や大規模災害への対応を想定したものだ」と説明した。

訓練に参加したオスプレイはヘリコプターのような垂直離着陸能力と固定翼機としての高速飛行能力を併せ持つ軍用機で、米海兵隊の即応展開能力を象徴する装備として知られる。機体には「海兵中型ティルトローター飛行隊263」の識別マークが確認され、この部隊は現在、強襲揚陸艦イオー・ジマに展開中とされる。

カラカス市内では、大使館周辺に集まり航空機を見物する市民の姿が見られた一方、数十人規模の抗議デモも発生した。参加者は「ヤンキーの軍事演習に反対」と書かれたベネズエラ国旗を掲げ、米軍の存在感拡大への警戒感を示した。ベネズエラでは長年、反米感情が根強く、米軍機が首都上空を飛行すること自体が政治的に敏感な問題となっている。

米軍機がカラカス上空で大規模に活動したのは今年1月以来である。米軍特殊部隊は当時、ヘリコプターで首都に展開し、マドゥロ夫妻を拘束して米国へ移送した。夫妻は麻薬密輸関連の罪で起訴されている。今回の演習には米南方軍(SOUTHCOM)の司令官も立ち会い、地元当局者や大使館職員と会談した。米国は外交施設の安全確保と地域における即応態勢を維持する姿勢を改めて示した形だ。

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