◎同国の物価はミレイ大統領が就任する前の時点で欧米の水準まで上昇し、低中所得者層の生活を直撃。経済的苦境に拍車をかけている。
2024年6月12日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ミレイ政権の税制改革に抗議する女性(Getty-Images/AFP通信)

アルゼンチンの先月の消費者物価指数(CPI)が2カ月連続で一桁台を記録し、ミレイ政権による財政健全化政策が機能しつつあることを示した。

統計局によると、5月のインフレ率は前年同月比で4.2%増。4月の8.8%の半分以下となった。3月は11%。

しかし、年間インフレ率(23.5~24.4)は22年比で200%を超えており、世界で最も高い水準にある。

昨年就任したミレイ(Javier Milei)大統領の緊縮財政により、月次インフレ率は大幅に低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めている。

国際金融機関もミレイ氏の政策を称賛。市場からも喝采を浴びているが、人口の大多数を占める低中所得者層はこの政策により、厳しい生活を余儀なくされている。

同国の物価はミレイ氏が就任する前の時点で欧米の水準まで上昇し、低中所得者層の生活を直撃。経済的苦境に拍車をかけている。

連邦議会上院は12日、ミレイ氏肝いりの税制改革法案を賛成多数で可決。下院に送った。

この法案は複数の補助金を廃止するなど、数百の条項で構成されており、その多くがコスト・債務削減に焦点を当てた内容となっている。

首都ブエノスアイレスの国会周辺では13日にも抗議デモが行われ、一部の暴徒と機動隊が衝突。前日に引き続き、催涙ガス弾と放水砲が使用された。

地元メディアによると、逮捕者と負傷者が出たという情報はない。前日には機動隊の唐辛子スプレーを浴びた野党議員とその他デモ参加者が病院に搬送された。

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