ブレア元英首相、労働党の”スターマー降ろし”をけん制「政策に焦点当てるべき」
ブレア氏は1997年から2007年まで首相を務め、労働党を3度の総選挙勝利に導いた。
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イギリスのブレア(Tony Blair)元首相は26日、与党・労働党の議員に対し「人格ではなく政策に焦点を当てるべき」と呼びかけ、党内で強まるスターマー(Keir Starmer)首相への退陣圧力をけん制した。ブレア氏は声明の中で、党内対立や指導者論争に時間を費やすのではなく、国の将来像を示す政策論争こそ必要だと強調した。
労働党は2024年の総選挙で大勝し、14年ぶりに政権へ復帰した。しかし、今春の地方選で大幅に議席を減らし、右派ポピュリスト政党「リフォームUK」が躍進したことで、党内ではスターマー氏の求心力低下が指摘されている。一部議員や地方組織からは指導部刷新を求める声も出ており、マンチェスター市長のバーナム(Andy Burnham)氏やストリーティング(Wes Streeting)前保健相らの名前が後継候補として取り沙汰されている。
こうした状況に対し、ブレア氏は「党首を替えるだけでは問題は解決しない」と警告した。また英国政治が左右双方のポピュリズムに引き寄せられていると分析し、労働党は「急進的中道」へ回帰すべきだと提唱した。特に、党内左派が主張する大規模歳出や高負担政策については、有権者の支持を失う危険があると指摘した。
またブレア氏はAI革命への対応を最重要課題の一つに位置づけ、イギリスが国際競争力を維持するには、企業投資を呼び込み、技術革新を支援する成長戦略が必要だと強調した。エネルギー政策についても、環境目標だけでなく「安価で安定したエネルギー供給」を重視すべきだと述べ、エネルギー相が推進する脱炭素政策を事実上批判した。
さらに、欧州連合(EU)との関係については、ブレグジット(EU離脱)を覆そうとする動きに否定的な姿勢を示した。イギリスでは再加盟論も根強いが、ブレア氏は「再加盟論争は国民を再び分断する」とし、現実的な協力関係の構築を優先すべきだと訴えた。
ブレア氏は1997年から2007年まで首相を務め、労働党を3度の総選挙勝利に導いた。同氏が掲げた「ニュー・レイバー(新しい労働党)」は市場経済と社会政策を両立させる中道路線として知られる。現在のスターマー政権も中道志向とされるが、支持率低下により党内では左派回帰を求める動きが強まっている。今回の提言は労働党が今後どの路線を選択するのかをめぐり、大きな議論を呼びそうだ。

