米国、ハイチ武装ギャングのSNS収益阻止へ、国連大使が表明
ウォルツ氏は国連安全保障理事会でこの問題に言及し、「極めて憂慮すべき状況」と述べ、SNSを通じた資金獲得や宣伝活動を阻止する考えを示した。
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米国のウォルツ(Mike Waltz)国連大使は20日、中米ハイチの武装ギャングがSNSを利用して収益を上げているとして、近く取り締まりを強化する方針を明らかにした。ウォルツ氏は国連安全保障理事会でこの問題に言及し、「極めて憂慮すべき状況」と述べ、SNSを通じた資金獲得や宣伝活動を阻止する考えを示した。一方で、具体的な対策や実施時期については明らかにしなかった。
ハイチでは武装ギャングがSNSを積極的に活用し、殺害行為を誇示する動画や脅迫メッセージを投稿するほか、現金を見せびらかす音楽動画などを公開して若者や子どもの勧誘に利用している。ギャングはこうした動画で広告収入を得ているとみられ、米国は資金源の遮断を目指す方針だ。2023年には、国内最大級のギャング指導者の動画チャンネルが、登録者数の増加を受けて批判が高まったことから動画共有サイトで停止された。
ハイチでは治安悪化が続いている。国連によると、首都ポルトープランスの約7割をギャングが支配し、国内避難民は約150万人に達した。今年に入ってからだけでも2300人以上が死亡し、1100人以上が負傷した。シテ・ソレイユ地区では大規模な衝突が発生し、多数の住民が犠牲となったほか、女性や少女への性的暴力も深刻化している。国連はギャング構成員の約半数が未成年者で、貧困や飢餓を背景に子どもの徴用が広がっていると警告している。
ウォルツ氏は国連が主導する多国籍部隊への追加支援も各国に呼び掛けた。部隊や装備を迅速に展開するため、航空輸送能力を持つ国の協力が不可欠だと強調し、「海上輸送では時間がかかりすぎる。ハイチは今すぐ支援を必要としている」と訴えた。また、ギャングが道路や港湾、病院など重要インフラを掌握している現状を踏まえ、治安回復は米国にとっても重要な安全保障上の課題だとの認識を示した。
一方、米国では約35万人のハイチ人に認められてきた一時保護資格(TPS)の打ち切りが予定されており、人権団体からは、暴力が深刻化する母国への送還につながりかねないとして懸念の声が上がっている。
治安回復と人道支援、さらに10年以上実施されていない総選挙の実現に向けた国際社会の支援が引き続き問われている。
