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スペイン議会、「住宅危機」対策法案を否決、家賃高騰と立ち退きで抗議拡大

法案の背景には、住宅費の急騰に対する国民の強い不満がある。
2026年10月2日/スペイン、首都マドリード、家賃高騰と退去問題に抗議するデモ(ロイター通信)

スペインで深刻化する住宅危機を巡り、サンチェス(Pedro Sánchez)首相率いる少数与党が提出した住宅対策の法案が10月2日、議会下院で否決された。政府案は立ち退きの危機にある弱い立場の入居者を2030年まで保護する措置や、既存賃貸契約の家賃凍結を2年間延長する措置、短期賃貸への規制強化などを盛り込んでいた。

法案の背景には、住宅費の急騰に対する国民の強い不満がある。特に、首都マドリードの自宅から87歳の女性マリカルメン・アバスカル(Mari Carmen Abascal)さんがが立ち退きを迫られたことが全国的な抗議運動の引き金となった。若者たちはマドリード中心部などでテントを張って抗議を続け、住宅費の負担軽減や入居者保護を政府に求めている。

ロイター通信によると、全国の平均家賃は過去10年間でほぼ倍増し、月額1176ユーロに達している。これは若者の平均給与の98.7%に相当する。住宅価格の上昇に加え、手頃な賃貸住宅の不足も続いており、30歳を超えても親と同居する若者が多い状況にある。

政府案には、与党と協力関係にあるカタルーニャ州の分離独立派政党も反対した。同党は、立ち退き規制や家賃抑制策が賃貸住宅の供給を減らし、結果として住宅不足や家賃上昇を悪化させる可能性があると指摘している。野党・国民党も、規制ではなく住宅建設の拡大が必要だとして反対した。

サンチェス政権は350議席中147議席しか持たず、法案成立には野党の協力が不可欠となっている。今回の否決によって政権運営の難しさが改めて浮き彫りとなり、地元メディアでは11月にも前倒し総選挙を実施する可能性が取り沙汰されている。首相府はこの報道についてコメントしていない。

一方、住宅危機を巡る抗議活動は収束する兆しを見せていない。活動家たちは法案否決後もマドリードなどで集会を続け、ゼネラルストライキを目指す考えも示した。住宅供給の拡大と入居者保護をどう両立させるかが、サンチェス政権と議会にとって大きな課題となっている。

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