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台北警察、同性愛者向けバーを家宅捜索、異例の摘発にLGBTQ+当事者ら抗議

捜索の対象となったのは台北市万華区にある「Commander D」。
2026年10月4日/台湾、台北で行われた抗議デモ(ロイター通信)

台湾・台北市で3日、警察が同性愛者向けのバーを捜索し、利用客ら51人を事情聴取のため連行した。これを受け、台北では4日、LGBTQ+(性的少数者)コミュニティのメンバーら約100人が警察署前に集まり抗議した。台湾はアジアで初めて同性婚を合法化した国であり、性的少数者への寛容さを掲げてきただけに、今回の摘発は波紋を広げている。

捜索の対象となったのは台北市万華区にある「Commander D」。警察によると、公共の場で下半身を露出したり、わいせつな姿勢を取ったりするなど、違反行為が疑われたため、裁判所が発布した令状に基づいて家宅捜索を実施したという。店の経営者は逮捕され、利用客らも事情を聴かれた。

台北市警は店について、「風紀を害する行為」が行われているとの通報を受け、捜査を進めていたと説明している。一方、当時店にいた男性はロイター通信の取材に対し、警察官が店内に乱暴に踏み込み、非常に怖かったと証言した。台湾の複数の人権・ジェンダー平等団体も、捜索の手続きや警察官の言動に問題があったと指摘し、台北市政府に調査を求めている。

警察は、捜索そのものは合法的な手続きに基づいていたと強調する一方、現場で一部の警察官に不適切な言動があったことは認め、行政処分を行ったと明らかにした。台北市長も、捜索は裁判所の令状に基づいて行われたとした上で、不適切な対応について警察に検証を指示した。

今回の捜索は、台湾の性的少数者をめぐる社会環境にも注目を集めている。台湾では2019年に同性婚が合法化された。台北では今月末に東アジア最大規模のプライドパレードが予定されている。そうした時期に同性愛者向けの店舗が摘発されたことに、抗議参加者からは「台北は性的少数者に友好的な都市だと主張してきたはず」との不満が出た。

台湾は戒厳令が解除された1987年まで、同性関係が社会的にタブー視されていた。今回の騒動は性的少数者の権利を大きく前進させてきた台湾社会において、法執行と人権保障の線引きをどう考えるかという問題を突き付けている。

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