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スペイン領セウタ移民大量流入、9人死亡、中央政府が軍部隊を派遣

流入は30日未明から始まり、多くの人々が国境フェンスを突破したほか、タラハル海岸付近の防波堤を徒歩や遊泳で回り込み、セウタに入った。
2026年7月30日/スペイン領セウタに到着した移民たち(AP通信)

アフリカ北部のスペイン領セウタで30日、数千人の移民がモロッコ側から一斉に国境を越えて流入し、スペイン政府が治安維持のため軍部隊を派遣した。当局によると、混乱の中で少なくとも9人が死亡した。現地の受け入れ施設は短時間で収容能力を超え、自治政府は中央政府に国家非常事態の宣言を要請したが、サンチェス政権はこれを見送った。

流入は30日未明から始まり、多くの人々が国境フェンスを突破したほか、タラハル海岸付近の防波堤を徒歩や遊泳で回り込み、セウタに入った。流入者には若い男性だけでなく、女性や子どもを含む家族連れも多く、現地では道路や港湾周辺に大勢が集まり、混乱状態となった。商店の一部は営業を取りやめ、住民の間にも不安が広がった。

これを受け、中央政府は軍部隊を派遣し、警察や警備隊とともに国境警備や施設警戒に当たらせた。サンチェス(Pedro Sánchez)首相も現地入りし、対応を協議する予定だ。内務省はモロッコ当局と緊密に連携し、不法入国者の送還手続きや国境管理を進める方針を示した。

急激な流入の背景は明確になっていないが、スペイン最高裁が海上で保護された移民を即時送還できないとの判断を示したことを受け、密航を仲介する人身売買組織が「入国しやすくなった」と宣伝した可能性が指摘されている。一方、モロッコ政府は犯罪組織が人々を扇動したとの見方を示し、スペインとの協力姿勢を維持すると表明した。

セウタはモロッコに囲まれたスペイン領で、隣接するスペイン領メリリャとともに欧州連合(EU)がアフリカ大陸に持つ唯一の陸上国境となっている。欧州への玄関口として以前から移民の主要ルートとなっており、大規模な越境が繰り返されてきた。2021年には8000人余りが短期間に流入し、スペインとモロッコの外交関係を揺るがす事態となった。

今回の事態を受け、スペイン国内では国境管理の強化を求める声が高まっている。野党は政府の移民政策が危機を招いたと批判する一方、政府は組織的な密航あっせんが主因との立場を崩していない。

EU南端の国境管理を担うセウタでは移民問題と治安対策、さらにモロッコとの協力関係をいかに両立させるかが大きな課題となっている。

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