セルビア、駅屋根崩落事故から2年、犠牲者追悼、学生運動が政権交代実現

この悲劇をきっかけに全国的な反汚職運動が広がり、学生主導の抗議活動は長期政権の交代を実現する政治運動へと発展した。
2026年11月1日/セルビア、北部ノビサド、駅崩落事故の犠牲者を追悼する人々(AP通信)

セルビア北部ノビサドで11月1日、鉄道駅の屋根崩落事故から2年を迎え、数万人が追悼集会に参加した。2024年11月1日に発生した事故では、コンクリート製のひさしが突然崩落し、子どもを含む16人が死亡した。この悲劇をきっかけに全国的な反汚職運動が広がり、学生主導の抗議活動は長期政権の交代を実現する政治運動へと発展した。

参加者は事故現場となったノビサド駅に集まり、犠牲者16人を悼んで16分間の黙とうをささげた。駅前には花やろうそく、花輪が供えられ、犠牲者の名前を記した赤いハートも掲げられた。事故は中国の支援を受けた高速鉄道計画の一環として改修された駅で発生しており、工事の品質や安全管理、公共事業を巡る汚職への疑念が高まっていた。

事故後、学生や市民は責任追及と司法手続きの透明化を求め、全国規模の抗議活動を展開した。政府関係者の辞任や内閣改造を引き起こし、最終的には前倒し総選挙につながった。10月25日の議会選挙では、学生主導の政治勢力「学生リスト」が定数250議席のうち141議席を獲得し、ブチッチ(Aleksandar Vucic)前大統領率いる与党・セルビア進歩党(SNS)は敗北を認めた。

一方、事故を巡る刑事責任の解明は進んでいない。検察は元政府関係者ら13人を起訴したものの、予備審理は停滞し、被告側は不正行為を否定している。専門家の調査では、政治的な指示によって改修工事の工期が短縮され、建設基準が組織的に軽視されていたと指摘された。

追悼に参加した市民からは、犠牲者への正義を実現し、同様の悲劇を繰り返さないために社会を変える必要があるとの声が上がった。学生運動は政権交代という成果を得たが、汚職の解明と法の支配の回復という課題は、新政権に引き継がれることになる。

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