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セルビア解散総選挙:ブチッチ大統領が議会選出馬へ、学生主導の野党陣営と対決

今回の政局の背景には、2024年11月に北部ノビサドの鉄道駅で屋根が崩落し、16人が死亡した事故を契機とする大規模な学生主導の抗議デモがある。
2026年9月10日/セルビア、北部ノビサド、学生運動の集会に参加する人々(ロイター通信)

セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は14日、10月25日に行われる議会選挙に首相候補として出馬する意向を表明した。2014年以降、大統領または首相として約12年間にわたり実権を握ってきたブチッチ氏が、大統領職から首相職へ移ることで政権基盤の維持を図る構図となっている。

ブチッチ氏は9月27日に大統領を辞任すると表明している。6月に辞任する考えを示していたが、具体的な時期は明らかにしていなかった。今回の解散総選挙は当初予定されていた2027年12月の選挙を前倒ししたもので、ブチッチ氏率いる与党・セルビア進歩党(SNS)は同氏を首相候補に正式に推している。

今回の政局の背景には、2024年11月に北部ノビサドの鉄道駅で屋根が崩落し、16人が死亡した事故を契機とする大規模な学生主導の抗議デモがある。

学生たちは事故の責任追及だけでなく、政府の腐敗や政治権力によるメディア支配などを批判し、2年間にわたって反政府デモを続けてきた。政府はこうした批判を否定している。

9月14日には首都ベオグラードで数千人が集まり、学生運動を母体とする「Students Win(学生の勝利)」を支持する集会が開かれた。同運動は野党勢力の中心となっており、候補者擁立に必要な支持者の署名を提出した。一部の野党は独自候補を立てず、学生運動への支持を表明している。

ブチッチ氏にとって今回の選挙は、長期政権への支持を問う機会となる。大統領職を離れて首相を目指すことで、形式上の役職を変えながら政治的影響力を維持する狙いがあるとみられる。

一方、学生運動側は「制度を最初から立て直し、国家機関が本来の役割を果たせるようにする」と訴えてきた。10月25日の選挙は与党がこれまでの政治的優位を維持できるか、学生運動を中心とする野党陣営がどこまで票を結集できるかが焦点となる。

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