セルビア大統領が議会解散、総選挙へ、ブチッチ氏の首相転身と長期政権に審判
今回の選挙の最大の焦点は、2014年から大統領または首相として実権を握ってきたブチッチ氏が、再び首相の座を目指す点にある。
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セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は9日、議会を解散し、10月25日に前倒し総選挙を実施すると発表した。次回の議会選挙は2027年12月の予定だったが、約1年余り前倒しとなる。ブチッチ氏は声明で、「政治的な緊張が続く中、選挙が必要だ」と説明した。
今回の選挙の最大の焦点は、2014年から大統領または首相として実権を握ってきたブチッチ氏が、再び首相の座を目指す点にある。与党・セルビア進歩党(SNS)は同氏を首相候補に指名しており、与党が選挙で勝利すれば、ブチッチ氏が大統領を辞任して首相に就任する可能性が高い。大統領の任期が2027年春に迫る中、役職を変えながら政治的影響力を維持する戦略とみられる。
背景には、2024年11月に北部ノビサドの鉄道駅で屋根が崩落し、16人が死亡した事故を契機とする大規模な反政府デモがある。学生を中心とした抗議運動は腐敗や政治責任を追及し、約2年にわたって続いてきた。野党や人権団体は政府による腐敗、メディアへの圧力などを批判しているが、ブチッチ氏側はこうした主張を否定している。
一方、学生主導の抗議運動は、今回の選挙で候補者を擁立するのか、既存野党を支援するのかをまだ明確にしていない。長期政権を維持してきたブチッチ氏にとっても、今回の選挙は単なる議会構成の変更ではなく、抗議運動によって揺らいだ政権への支持を問う重要な政治的審判となる。
10月25日の選挙では、与党がこれまでの政治的優位を維持できるか、そして学生運動を中心とする反政権勢力がどこまで票を結集できるかが焦点となる。
