ブラジル最高裁、連邦警察トップを復職、判事同士の対立激化、大統領選に影響も
メンドンサ氏は連邦警察が自身の活動を対象に違法な捜査報告書を作成したとして、両氏を職から外していた。
と最高裁のジモラエス判事(Getty-Images/AFP通信).jpg)
ブラジル最高裁のフラビオ・ディノ(Flávio Dino)判事は9日、同僚のメンドンサ氏(André Mendonça)判事が前日に下した連邦警察幹部2人の解任決定を覆し、職務に復帰させた。復職したのは連邦警察のロドリゲス(Andrei Rodrigues)長官と警察情報部門のアルマダ(Leandro Almada)局長で、最高裁内部の対立が表面化する異例の事態となった。
メンドンサ氏は連邦警察が自身の活動を対象に違法な捜査報告書を作成したとして、両氏を職から外していた。これに対してディノ氏は、メンドンサ氏が警察の捜査に対する個人的な不満を理由に2人を解任することは認められないと判断した。ディノ氏は自身の決定について、最終的には最高裁全体で審理されるべきだとしている。
対立の背景には、経営破綻した銀行「バンコ・マスター」をめぐる大規模捜査がある。ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はこの事件を「ブラジル史上最大の金融犯罪」と位置付け、捜査の透明性を確保する必要があると強調している。一方、メンドンサ氏はこの事件や年金不正事件など政治的に敏感な捜査を担当している。
さらに問題を複雑にしているのが、最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事をめぐる疑惑である。バンコ・マスターの元経営者であるダニエル・ボルカロ(Daniel Vorcaro)被告がジモラエス氏に法律上の助言を求めていたことを示す警察資料が公開され、同氏の妻が同行から巨額の法律業務を受けていたことも明らかになった。ジモラエス氏は不正を否定しているが、一部の議員から辞任を求める声が出ている。
今回の対立は、来月行われる大統領選にも影響を及ぼす可能性がある。ルラ氏とボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男であるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の対決が焦点となる中、司法当局の判断が政治的に利用されているとの批判も強まっている。
最高裁内部の権力闘争が深まれば、捜査への信頼だけでなく、選挙の公正性をめぐる議論にも波及しかねない。
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