ブラジル最高裁、連邦警察トップを更迭、大統領選前に司法と警察の対立深まる
メンドンサ氏は、両氏が率いる組織が8月末までに自身の活動を監視する目的で、違法な報告書を6件作成したと主張している。
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ブラジル最高裁のメンドンサ氏(André Mendonça)判事は8日、連邦警察のロドリゲス(Andrei Rodrigues)長官と警察情報部門のアルマダ(Leandro Almada)局長を職務から外す決定を下した。
メンドンサ氏は、両氏が率いる組織が8月末までに自身の活動を監視する目的で、違法な報告書を6件作成したと主張している。10月に大統領選を控える中、最高裁内部の対立に政府や警察組織まで巻き込まれ、ブラジルの政治・司法情勢は一段と緊迫している。
メンドンサ氏は右派のボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が任命した判事で、現在、大きな政治的影響を持つ2つの捜査を担当している。1つは複数の政治家が関係する銀行「バンコ・マスター」の経営破綻をめぐる捜査。もうひとつは年金制度をめぐる不正疑惑だ。後者ではルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の息子の関与が浮上している。ロドリゲス氏はルラ氏が任命し、今回の更迭は司法と行政府の権限争いにも発展する可能性がある。
連邦警察内部からは強い反発が出ている。ロドリゲス氏の代行を務める副長官は、長官が組織から全面的な信頼を得ていると表明した。さらに11人の連邦警察幹部が共同声明を発表し、メンドンサ氏の主張には根拠がなく、警察幹部の信用や組織の歴史を傷つけるものだとして、辞任の意思を示した。
背景には、メンドンサ氏と同じ最高裁判事であるジモラエス(Alexandre de Moraes)氏との激しい対立がある。メンドンサ氏は先週、バンコ・マスターのオーナーだったダニエル・ボルカロ(Daniel Vorcaro)被告が、逮捕前にジモラエス氏に頻繁に法的助言を求めていたことを示す連邦警察資料を公開した。ジモラエス氏は一方で、メンドンサ氏について職権乱用の疑いで捜査すべきだと主張している。
政治的な緊張も高まっている。再選を目指すルラ氏はボルソナロ氏の長男であるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員と激しい選挙戦を繰り広げている。
9月7日には最大都市サンパウロで数万人規模の野党支持者が抗議デモを行い、ジモラエス氏の辞任を求める声が上がった。今回の警察幹部更迭は最高裁内部の権力闘争にとどまらず、司法の独立性や法執行機関の政治的中立性、さらに大統領選の行方にも影響を及ぼす重大な問題となっている。
