ポルトガル警察、住宅危機抗議のテント撤去、リスボンで数千人が法案撤回要求

警察は午前4時30分ごろ、中心部の広場に設置されていた50張り以上のテントを撤去するため、警察犬を伴う数十人の警察官を投入した。
2026年10月31日/ポルトガル、首都リスボンで行われた抗議デモ(ロイター通信)

ポルトガルの首都リスボンで11月1日、警察が住宅価格や家賃の高騰に抗議する市民らのテントキャンプを強制撤去した。前日の10月31日には、政府が提出した賃貸住宅関連法案の撤回を求め、数千人が市内をデモ行進していた。

警察は午前4時30分ごろ、中心部の広場に設置されていた50張り以上のテントを撤去するため、警察犬を伴う数十人の警察官を投入した。警察は事前に3回、テントを撤去するよう警告していたが、現場に残った数百人の抗議参加者がキャンプを守ろうとしたため、警察は盾や警棒を使用して排除した。同日、北部ポルトの中心部でも、小規模なテントキャンプが撤去された。

今回の強制措置には批判も出ている。社会党は声明で、リスボンの広場は平穏だったとして、警察による実力行使を正当化できないと指摘した。警察は前週にも同じ広場などでテントを撤去し、参加者の逮捕や警棒による排除を行っており、対応を巡って批判が強まっている。

抗議活動の背景には、深刻化する住宅不足と住宅費の高騰がある。ポルトガルでは2017年以降、住宅価格が2倍以上に上昇し、新規賃貸契約の家賃もほぼ2倍になった。若年層を中心に住宅を確保できない問題が深刻化している。

市民らが撤回を求めているのは、立ち退きを容易にし、新規賃貸契約に対する家賃上限規制を撤廃する政府法案だ。同法案は極右シェーガ党(CHEGA)の棄権を受け、議会で最初の審議を通過した。

ルイス・モンテネグロ(Luís Montenegro)首相は法案の全面撤回を拒否する一方、今後数週間以内に予定される最終採決までに修正を検討する姿勢を示している。住宅危機への不満が欧州各地で広がる中、ポルトガル政府は住宅政策と市民の抗議への対応の両面で難しい判断を迫られている。

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