ハンガリー首相、チェス界のレジェンドに大統領就任を打診
ポルガー氏は、史上最高の女子チェス選手と広く評価されている。
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ハンガリーのマジャル(Péter Magyar)首相は19日、世界的なチェス棋士として知られるユディット・ポルガー(Judit Polgár)氏に対し、大統領への就任を要請する考えを明らかにした。
マジャル氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ポルガー氏は国民の団結を象徴する存在であり、政治的な立場を超えて国全体を代表できる人物だと評価した上で、20日に本人と面会し、正式に立候補を打診する予定だと説明した。
今回の動きはシュヨク(Sulyok Tamás)大統領が任期途中で退任することを受けたものだ。マジャル政権は前政権時代に任命されたシュヨク氏が十分な政治的中立性を果たしていないと主張し、議会で憲法改正を成立させて任期を終了させた。
与党TISZA(尊敬と自由)は議会で3分の2を超える議席を有しており、新大統領は議会の選出によって決まる見通しである。新憲法が制定されるまで、あるいは最長5年間、大統領職を務めることになる。
49歳のポルガー氏は、史上最高の女子チェス選手と広く評価されている。女性だけを対象とする大会ではなく、男子を含めたトップレベルの国際大会で数々の実績を残し、長年にわたり世界ランキング上位で活躍した。幼少期から天才棋士として注目を集め、歴代世界王者を相手に勝利を収めるなど、男性中心だったチェス界の常識を覆した人物として知られる。近年は後進の育成やチェス教育の普及にも力を入れており、その功績を描いたNetflixのドキュメンタリー作品「Queen of Chess」も話題となった。
マジャル氏は今年4月の総選挙で圧勝し、16年間続いたオルバン(Viktor Orbán)前首相の長期政権を終わらせた。新政権は司法制度や公的機関の改革を進めるなど、旧体制の見直しを急速に進めている。一方で、改革のスピードや権力集中を懸念する声もあり、国内では賛否が分かれている。今回、大統領候補として政治家ではなく国際的な知名度を持つ文化・スポーツ界の人物を起用しようとする背景には、国民統合を重視する姿勢を示す狙いがあるとみられる。
ポルガー氏が要請を受け入れるかどうかは明らかになっていない。しかし、仮に就任すれば、チェス界のレジェンドが国家元首となる異例の人事として国際的な注目を集めることになりそうだ。
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