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フランス国民議会、15歳未満のSNS利用禁じる法案可決、EU加盟国初

欧州連合(EU)加盟国で15歳未満を対象に包括的な利用禁止を法制化したのは初めてで、子どものメンタルやオンライン上の安全確保を目的とする規制として注目を集めている。
スマートフォンのイメージ(Getty Images)

フランス国民議会(下院)は21日、15歳未満の子どもによるソーシャルメディア利用を原則として禁止する法案を可決した。欧州連合(EU)加盟国で15歳未満を対象に包括的な利用禁止を法制化したのは初めてで、子どものメンタルやオンライン上の安全確保を目的とする規制として注目を集めている。法案はマクロン(Emmanuel Macron)大統領が2期目の重点政策として推進してきたもので、憲法審査などを経て施行される見通しだ。

新法では15歳未満の子どもはSNSのアカウントを新規開設できなくなる。対象となるプラットフォームには利用者の年齢確認を実施することが義務付けられ、既存の15歳未満の利用者についても、一定期間内にアカウントを閉鎖するなどの対応が求められる。

法案では教育目的や学術目的で利用される一部のサービス、オンライン百科事典、オープンソースのプラットフォームなどは適用対象から除外されている。政府は新学期が始まる9月までの公布を目指している。

法案には高校での携帯電話使用を禁止する規定も盛り込まれた。マクロン政権はスマートフォンやSNSへの過度な依存が学習環境を損ない、いじめや誹謗中傷、有害情報への接触、睡眠不足などを招いているとの認識を示しており、学校教育の現場でもデジタル機器の利用を抑制する姿勢を鮮明にしている。マクロン氏は子どもたちをオンライン上の危険から守るためには、政府による明確なルール作りが必要だと訴えてきた。

法案成立の背景には、SNS上の有害コンテンツが若者の精神状態に深刻な影響を及ぼしているとの懸念がある。フランスではTikTokで推奨されたコンテンツが子どもの自傷行為や自殺につながったとして、複数の遺族が同社を相手取って訴訟を起こすなど、社会的な議論が広がっていた。

子どもの保護を訴える団体や保護者らは今回の法案成立を歓迎し、「巨大IT企業に対抗するには、法的な規制が不可欠だ」と評価している。

一方で、一部の野党からは法案の実効性や法的妥当性を疑問視する声も上がっている。年齢確認の方法やプライバシー保護との両立、海外サービスへのアクセスを完全に防げるかといった課題が残されているためだ。また、EUのデジタルサービス法(DSA)との整合性も求められることから、政府は法案の内容を修正したうえで成立にこぎ着けた。

今後はEU当局による確認や憲法審査を経て制度の詳細が固められる見通しである。フランスの取り組みは子どものSNS利用を巡る国際的な規制議論にも影響を与える可能性がある。

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