SHARE:

米財務省、レバノン・ヒズボラに追加制裁、イラン包囲網の一環

財務省はヒズボラに加え、資金調達や資金移動に関与したとされる10人も制裁しストに追加した。
2024年1月9日/レバノン郊外の軍事基地、ヒズボラの戦闘員(Hussein Malla/AP通信)

米国政府は20日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する新たな制裁を発表した。財務省はヒズボラがイラン政府のために活動し、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊である「コッズ部隊」の指揮下にあるとして、テロ対策関連の権限に基づき同組織を改めてテロ組織に指定した。今回の措置はヒズボラを単独のテロ組織としてではなく、イランの地域的な影響力を支える重要な組織と位置付け、資金面から活動を制限する狙いがある。

財務省はヒズボラに加え、資金調達や資金移動に関与したとされる10人も制裁しストに追加した。その中にはトルコ人実業家が含まれており、トルコの両替商やペーパーカンパニーなどを利用して、ヒズボラに資金を流す地域的な現金密輸ネットワークを運営していたと米側は主張している。制裁によって米国内にある対象者の資産は凍結され、米国人や米企業による取引も禁じられる。

財務省は今回の制裁を通じてヒズボラの金融ネットワークを遮断し、同組織が活動に必要とする資金へのアクセスを困難にする考えだ。特にイランからトルコなどを経由してレバノンへ資金を移す仕組みを標的とすることで、ヒズボラの活動だけでなく、イランによる中東地域での影響力にも圧力をかける狙いがある。

今回の措置は米国がイランそのものへの経済的圧力を強める動きとも重なる。ベッセント(Scott Bessent)財務長官は20日、イランに対して「史上最も厳しい」制裁を科す方針を示した。トランプ(Donald Trump)大統領もイランを支援する第三国に経済的な代償を警告している。ヒズボラへの制裁強化はイラン本体とその同盟勢力を同時に対象とする米国の圧力戦略の一環とみられる。

中東では米イスラエルとイランの対立が続いており、ヒズボラを巡る圧力の強化は地域情勢にも影響を及ぼす可能性がある。今回の制裁が資金網をどこまで弱体化させられるかに加え、イランやヒズボラ側がどのように対応するかが今後の焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ