SHARE:

ボリビア経済相更迭、パス大統領に打撃、議会との対立深まる

ボリビアでは燃料や外貨不足、低迷する経済に加え、緊縮策への反発から抗議デモや道路封鎖も発生している。
ボリビアのパス大統領(AP通信)

ボリビア政府が21日、エスピノサ(José Gabriel Espinoza)経済相を更迭し、ピント(Oscar Mario Justiniano Pinto)環境相を暫定経済相に任命した。大統領令が官報に掲載された。エスピノサ氏はパス(Rodrigo Paz)大統領が昨年11月に就任して以来、経済政策の中心を担い、国際通貨基金(IMF)など国際金融機関との協議にも関わってきた人物だ。今回の更迭はパス政権と議会の対立が深まる中での大きな政治的打撃となる。

議会は18日、エスピノサ氏に対する問責決議案を可決した。エスピノサ氏は経済問題を巡る議会審問に出席しなかったことなどを問題視され、決議を違憲として憲法裁判所に審査を求める考えを示していた。政府も当初、問責決議には憲法上の問題があり、憲法裁による判断が出るまで同氏を職にとどめる方針を示していた。しかし、21日の大統領令で更迭が決まり、政権は議会との対立を抱えたまま方針転換を迫られた格好だ。

更迭のタイミングは、パス政権が経済改革を進める上で重要な局面にある。政府は市場重視の改革を推進し、エネルギーや鉱業分野への民間投資を呼び込もうとしている。一方、7月にIMFと交渉した金融支援策には議会とIMF理事会双方の承認が必要となっている。議会の支持を確保できなければ、政府が掲げる改革や資金調達が停滞する可能性がある。

ボリビアでは燃料や外貨不足、低迷する経済に加え、緊縮策への反発から抗議デモや道路封鎖も発生している。パス政権は議会だけでなく国民からも改革への支持を得る必要があり、政権発足から約9カ月で政治的な基盤の弱さが露呈している。

エスピノサ氏の更迭は単なる閣僚交代にとどまらず、経済危機への対応と改革を進めるパス政権の統治能力が問われる事態となっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ