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ソマリア海賊がイラン関連タンカーを拿捕、紅海周辺の海上警備に懸念

このタンカーは2025年12月、イランの石油製品を米国の制裁から逃す「影の船団」の一部だったとして、米財務省から制裁を科されていた。
ソマリアの海賊(ロイター通信)

アフリカ東部・ソマリア沖で海賊行為が再び活発化する中、イラン産石油製品の輸送に関与したとして米国の制裁対象となっていたタンカーが、海賊に乗っ取られた。英国海運貿易オペレーション(UKMTO)によると、エリトリア船籍の「シーブ1(Sibu 1)」は20日、イエメン沖で6人の武装した人物にシージャックされ、その後ソマリア方向へ進路を変更させられたという。

このタンカーは2025年12月、イランの石油製品を米国の制裁から逃す「影の船団」の一部だったとして、米財務省から制裁を科されていた。今回の襲撃はソマリア沖やアデン湾で今年発生した13件目の海賊行為となる。国際海事局(IMB)によると、2025年に同地域で確認された同様の攻撃は5件にとどまっており、海賊活動の増加が際立っている。

ソマリア沖では2008~14年にかけて海賊による船舶襲撃が相次ぎ、身代金目的の拿捕などによって世界経済に数十億ドル規模の損失をもたらした。国際的な海軍部隊による警戒強化などで大規模な海賊行為は沈静化したものの、専門家は海賊行為そのものが根絶されたわけではなく、ソマリア国内の貧困や治安問題が残る限り再発する可能性があると指摘していた。

今回の再燃には、中東情勢の悪化も影響しているとみられる。イラン戦争によって原油価格が上昇し、石油を積んだタンカーが海賊にとってより魅力的な標的になっているほか、紅海やホルムズ海峡などでの脅威への対応に海軍戦力が振り向けられ、ソマリア沖の海賊対策に投入できる戦力が減少しているとの見方がある。さらに、イエメンの親イラン武装組織フーシ派と海賊との協力関係を示す兆候を指摘する専門家もいる。

海運各社にとってソマリア沖とアデン湾は、欧州とアジアを結ぶ重要な航路の一部である。海賊活動の増加が続けば、船舶の警備費用や保険料の上昇、航路変更による輸送コスト増加につながる可能性があり、中東情勢の混乱が世界の物流に波及する新たなリスクとなっている。

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