イエメン・フーシ派が米イラン戦争で新たな戦線を展開、バブ・エル・マンデブ海峡閉鎖
中東の緊張はホルムズ海峡だけでなく、紅海の主要航路にも波及し、世界のエネルギー供給への懸念が強まっている。
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米国とイランの軍事衝突が激化する中、世界的な原油輸送網に新たな混乱が広がっている。イエメンの親イラン組織フーシ派がサウジアラビア産原油を運ぶ船舶を標的にする方針を示したことで、アジア向けに航行していたサウジ産原油タンカー2隻が21日、紅海の入り口付近で進路を変更した。中東の緊張はホルムズ海峡だけでなく、紅海の主要航路にも波及し、世界のエネルギー供給への懸念が強まっている。
ロイター通信によると、2隻のタンカーはサウジ原油を中国とインドへ輸送する予定だったが、イエメン沖を通過するリスクを避け、スエズ運河方面へ引き返した。
フーシ派は20日、サウジに対する「海上封鎖」を宣言し、サウジの港を利用する船舶や同国産原油を輸送する船を攻撃すると警告していた。これを受け、運航各社が航路変更を迫られている。
今回の動きは、米国とイランの対立が中東全域に拡大する中で起きた。米軍によるイラン国内の軍事施設への空爆後、イラン側は米国の同盟国であるバーレーンやクウェートなどへのミサイル・無人機攻撃を実施し、地域の緊張が一段と高まった。さらにホルムズ海峡では船舶の通航が大きく減少し、中東の原油輸送が不安定化している。
サウジにとって、紅海ルートは重要な輸出経路の一つである。サウジは東部の油田から紅海側の港へ原油を運ぶことで、イラン情勢の影響を受けやすいペルシャ湾やホルムズ海峡を回避してきた。しかし、フーシ派が紅海とインド洋を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡でも攻撃の可能性を示したことで、この代替ルートの安全性にも不安が生じている。
市場では供給不安への警戒から原油価格が上昇した。投資家はホルムズとバブ・エル・マンデブという2つの主要な輸送路が同時に不安定化する可能性を懸念している。
両海峡は中東産エネルギーをアジアや欧州へ届けるうえで不可欠な航路であり、混乱が続けば、原油価格だけでなく輸送費や物価にも影響を与える可能性がある。
一方、米国や関係国は外交による緊張緩和を模索しているものの、軍事衝突の拡大によって事態の先行きは依然として不透明だ。フーシ派の警告はイランと米国の対立が地域の代理勢力を通じて海上交通にも影響を及ぼすことを示している。今後、紅海やペルシャ湾周辺での攻撃が続けば、国際的な原油輸送網への圧力はさらに強まる可能性がある。
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