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チリ豪雨、10人死亡、10万人超孤立、大統領が非常事態を宣言

被害が特に深刻なのは、通常は乾燥した気候で知られる北部アタカマ州とコキンボ州である。
2026年7月20日/チリ、首都サンディエゴ市内(AP通信)

チリで1週間にわたって続く大雨により、少なくとも10人が死亡、16人が負傷した。当局が21日、明らかにした。各地で洪水や河川の氾濫が相次ぎ、10万人以上が道路寸断などによって孤立するなど、過去数十年で最悪級の自然災害となっている。気象台は太平洋の海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が雨を強めたとの見方を示している。

被害が特に深刻なのは、通常は乾燥した気候で知られる北部アタカマ州とコキンボ州である。集中豪雨により複数の河川が増水し、道路や橋梁が流失したほか、多くの集落が外部との通信を絶たれた。国家防災対策庁(SENAPRED)によると、10万4000人余りが孤立状態にあり、各地で救助活動が続けられている。

住宅被害も拡大している。21日時点で少なくとも81棟が全壊し、2万棟以上が浸水や損壊などの被害を受けた。4000人を超える市民が避難を余儀なくされ、このうち1000人以上が避難所に身を寄せている。また、多くの地域で停電や断水が発生した。

カスト(José Antonio Kast)大統領は20日、被害が集中する地域に非常事態を宣言した。SENAPREDは国内16州のうち10州で避難警報を発令し、河川流域や土砂災害の危険性が高い地域の住民に避難を呼び掛けている。

軍・警察・消防は孤立地域への物資輸送や救助活動を進めているものの、多くの道路が冠水や土砂崩れで通行不能となっており、支援活動は難航している。

当局は雨が弱まった後も河川の増水が続く恐れがあるとして警戒を緩めていない。SENAPREDの長官は21日、山間部で降った雨は時間差で下流へ流れ込むため、「雨が止んでも河川水位が時間差で上昇する可能性がある」と説明し、市民に対し、危険区域に近づかないよう注意を促した。

専門家は今回の豪雨について、エルニーニョ現象が背景にあると分析する。エルニーニョは太平洋の海面水温上昇に伴って世界各地の気象パターンを変化させ、南米南部では平年を上回る降雨をもたらすことがある。

乾燥地帯として知られるチリ北部でこれほど大規模な豪雨災害が発生したことは異例であり、地球温暖化による極端気象の増加と合わせて、今後の防災対策の在り方が問われている。

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