世界で最も乾燥した砂漠が花畑に、チリ・アタカマで数十年ぶりの大規模開花
アタカマ砂漠における今回の開花地域は約1万7000平方キロメートルに及ぶと推定されている。
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チリ北部のアタカマ砂漠で、広大な土地が色とりどりの花に覆われている。年間降水量が極めて少なく、世界で最も乾燥した非極地砂漠として知られるアタカマで、今年は異例の降雨によって「花咲く砂漠」を意味する「デシエルト・フロリド(Desierto Florido)」が発生している。
背景には、南半球の冬に観測された記録的な降雨がある。7~8月には一部地域で160~190ミリに達する雨が降り、1950年代に観測が始まって以来、最大級となる地点もあった。生物学者によると、この雨はエルニーニョ現象の影響を受けたもので、長期間にわたって乾燥した土壌に眠っていた植物の種子や球根、塊茎などが一斉に活動を始めた。
アタカマ砂漠における今回の開花地域は約1万7000平方キロメートルに及ぶと推定されている。これは首都サンティアゴ首都圏に匹敵する規模で、1997年以来、最も大規模で強い開花現象になると予測されている。赤や黄色のアニャヌカ、紫色のロック・パースレイン、白い花、オレンジ色の花など、200種を超える植物が砂漠の丘陵や平原、渓谷を彩っている。
特に注目されているのは、数十年間にわたって緑や花が確認されていなかった場所でも開花が見られている点だ。アタカマの植物は極端な乾燥に耐えるため、種子などが長期間休眠できる。今回の大量の降雨が、その眠っていた生態系を一斉に目覚めさせたとみられる。
異例の光景は観光客も呼び込んでいる。チリ国内だけでなく海外からも観光客が訪れ、開花現象が落ち着く11月までに、アタカマ地域では約30万泊の宿泊旅行が見込まれている。地元当局は自然環境を保護しながら観光を受け入れるため、開花状況の監視や観察地点の整備、道路状況の確認などを進めている。
ほとんど雨の降らない砂漠だからこそ、一度の異常な降雨が数十年単位で眠っていた生命を呼び覚ます。2026年のアタカマ砂漠は、その極端な環境と生物の適応力を同時に示す、まれな自然現象の舞台となっている。
