◎トルクメニスタンは世界で最も閉鎖的な国のひとつであり、公正な選挙は行われていないと考えられている。
2月12日、トルクメニスタンの独裁者であるグルバングル・ベルディムハメドフ大統領は次の世代に権力を譲ると示唆し、臨時大統領選挙を行うと発表した。
AP通信によると、ベルディムハメドフ大統領は12日に放送されたテレビ演説の中で、「国の指導者は若く元気でなければならない」と述べ、長男のセルダル氏を後継者に指名したように見えたという。
セルダル氏は政府の重要なポストを歴任し、現在は内閣の副議長を務めている。
議会はその後、3月12日に大統領選挙を行うと発表した。
トルクメニスタンは世界で最も閉鎖的な国のひとつであり、公正な選挙は行われていないと考えられている。
2017年の大統領選挙では野党候補が8人立候補したものの、8人全員がベルディムハメドフ大統領への支持を突然表明し、大統領は有効票の97%以上を獲得したと記録されている。
ベルディムハメドフ大統領は初代大統領である独裁者のサパルムラト・ニヤゾフ氏の後継者として2007年2月に就任した。
トルクメニスタンの経済は圧倒的な埋蔵量を誇る天然ガスのおかげで比較的順調に成長しており、治安も隣国のアフガニスタンやイランに比べるとはるかに安定している。ただし、ガスに依存している影響で経済の多角化は進んでいない。
ベルディムハメドフ大統領はカルト的な人気を誇ったニヤゾフ氏の神格化に成功し、閉鎖的な体制を確立した。
トルクメニスタンはコロナウイルス感染者ゼロを維持していると信じられている。なお、政府は昨年、ロシア産ワクチン「スプートニクV」の緊急使用を許可した。
ベルディムハメドフ大統領は地元メディア向けのイベントを好むことで知られ、自転車に乗りながらの射撃や、議会で重量挙げにチャレンジしたこともある。2019年にはトルクメニスタンで最も有名な観光地である「地獄の門」の周りをオフロードバイクで疾走する映像を公開し、話題をさらった。