◎入国時または施設内の毎日検査で陽性診断を受けた場合、症状のない人は専用の隔離ホテルに、症状のある人は専用の病院に搬送される。
2月5日、北京2022冬季五輪に出場する選手および関係者からコロナウイルス隔離施設の環境が悪いという申し立てが相次いで寄せられた。
ロシアのバイアスロン選手、ヴァレリヤ・ヴァスネツォワ選手はインスタグラムに、「胃は痛いし、顔色は悪いし、目の周りには大きな黒いクマができた。こんなことはもう終わりにしたい。毎日泣いている。とても疲れている」と投稿し、不満を表明した。
他の陽性と診断された選手も、「施設の食べ物は明らかに足りず、トレーニング器具が欲しい」と強く要望している。
中国の最も重要な同盟国ロシアの代表であるヴァスネツォワ選手の不満は食べ物に集中していた。同氏はインスタグラムに食事の写真を投稿し、「ウンザリしている」と述べた。「5日同じ食事を食べています。パスタ、オレンジソース、骨付き肉、ジャガイモ数個、野菜なし...」
ヴァスネツォワ選手は何とかパスタで生き延びていると述べたうえで、「今日はとても空腹だったので、脂身を全部食べました」と投稿した。同氏によると、体重は激減し、「すでに骨が突き出ている」という。
五輪選手の筋肉量(欧米の選手は特に)は一般人とは比べ物にならないほど多く基礎代謝も高いため、標準的なアジア人の食事量で筋肉とコンディションを維持することは難しい。
隔離ホテルは選手やチームの批判の的になっており、多くの関係者が主催者に改善を働きかけている。また、一部の陽性診断を受けた選手は隔離ホテルに入れられ、同じ状況にある別の選手は選手村に隔離されたという報告も上がっており、公平性の欠如も指摘されている。
入国時または施設内の毎日検査で陽性診断を受けた場合、症状のない人は専用の隔離ホテルに、症状のある人は専用の病院に搬送され、24時間の間に2度PCR検査で陰性と診断されるまで競技には参加できない。
ドイツ代表団は陽性診断を受けたエリック・フレンツェル選手が理不尽な対応を受けていると批判した。フレンツェル選手は五輪のノルディック複合で金メダルを3個、銀1個、銅2個を獲得し、W杯では41勝を挙げている。
ドイツの日刊紙FAZによると、代表団は衛生的な部屋と食事の量を増やすよう当局に求めたという。
ベルギーのボブスレー代表、キム・メイレマンス選手は、ソーシャルメディアに涙のメッセージを投稿し、隔離ホテルから選手村に戻された。メイレマンス選手の最大の不満は情報の少なさと、解放されると思っていた日に救急車に乗せられ、隔離施設を転々としたことだった。
ロシア代表のヴァスネツォワ選手は隔離施設の実態もソーシャルメディアに投稿している。投稿によると、部屋には選手とチームスタッフなどの関係者を区別する標識が貼られていた。
またヴァスネツォワ選手は同じく陽性診断を受けたチームドクターの食事と自分の食事を比較し、不満を表明した。チームドクターは「新鮮な果物、サラダ、エビ、ブロッコリー」などを食べていた。
ヴァスネツォワ選手は、「理解できない!なぜ、大会の主役である選手の食事がいい加減なのですか?」と書いている。
ロシアのバイアスロンチームの広報担当によると、ヴァスネツォワ選手の食事は批判メッセージのあとに改善され、「サーモン、キュウリ、ソーセージ、ヨーグルト」などがプラスされたという。また、エアロバイクも近々届けられる予定とのこと。