◎ルカシェンコ大統領「ひざまずき、うめき声を上げよ」
2022年1月28日/ベラルーシ、首都ミンスクで行われた国民演説、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領(Pavel Orlovsky/BelTA/Pool/AP通信)

1月28日、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は首都ミンスクで行われた国民演説で追放された野党指導者に「悔い改め、ひざまずく」よう忠告した。

ルカシェンコ大統領は2020年8月の大統領選に立候補したスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏を含む野党指導者に、「家に帰り、悔い改め、ひざまずきなさい」と促し、国民が政権に「決定を下す」ようであれば辞任するという漠然とした約束を繰り返した。

旧ソ連の崩壊以来、鉄の拳でベラルーシを率いてきたルカシェンコ大統領は、国の歴史の中で最大の大衆抗議を乗り越えた。2020年の大統領選後に勃発した抗議デモは数カ月続き、1日で最大20万人を動員する規模に発展した。

抗議者たちは公正な選挙とルカシェンコ大統領の辞任を要求し平和的に抗議したものの、治安部隊は旧ソ連のKGB(ソ連国家保安委員会)を彷彿とさせる厳しい取り締まりで市民を打ち負かし、35,000人以上を拘束、数千人を残酷に殴打した。

大統領選に立候補したツィハノウスカヤ氏を含む主要な野党指導者は取り締まりが本格化する前に亡命を余儀なくされた。

ルカシェンコ大統領は演説の中で「私は2020年の選挙で有効票の90%を獲得した」と主張し、亡命した野党指導者と反対派の活動家に「ひざまずき、うめき声を上げよ」と促した。「私は反対派のテロリストにアドバイスします。ひざまずき、うめき声を上げれば、あなたの心はひどく荒廃するでしょう」

ルカシェンコ大統領は抗議をねじ伏せた後に発表した「来るべき時が来たら辞任する」という漠然とした口約束を繰り返し、政権を維持できるか否かは国民次第だと強調した。「国民の承認を得られなければ、私は去ります。国民がベラルーシを導けと言うのであれば、私はとどまります」

ルカシェンコ大統領は先週、2035年まで在任を可能にする憲法改正案の是非を問う国民投票を2月下旬に行うと発表した。投票日は2月27日の予定。

憲法が改正されれば、ルカシェンコ大統領の在任中に廃止された大統領の任期制限(最大2期)が復活する。ただし、この制限は「新しく選出された大統領」にのみ適用されるため、ルカシェンコ大統領は2025年の任期満了後に再立候補し、最大2期10年政権を維持できる可能性がある。

また改正案は大統領ではなく全ベラルーシ人民議会に多くの権限を与えるが、議会議員はルカシェンコ大統領の支持者で構成されることが決まっている。さらにルカシェンコ大統領も自動的に議会の一員に加わるため、議長職にとどまることができる。

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