◎ジョブネル・モイーズ大統領は昨年7月7日に首都ポルトープランスの自宅で暗殺された。
2021年7月21日/ハイチ、首都ポルトープランス、暗殺されたジョブネル・モイーズ大統領の国葬(Joseph Odelyn/AP通信)

1月15日、ハイチの国家警察は昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件に関与したとされる元上院議員のジョン・ジョエル・ジョセフ容疑者がジャマイカで逮捕されたと発表した。

AP通信によると、国家警察の報道官は容疑者の認否を明らかにしていないという。

一方、ジャマイカ警察の報道官はジョセフ容疑者と関係者数名を逮捕したと発表したうえで、「ハイチ当局は捜査に影響が出る可能性があるとして、事件の詳細情報を共有していない」と述べた。

またジャマイカ警察は、米連邦捜査局(FBI)の要請に基づき容疑者を逮捕したのかという質問に答えなかった。

モイーズ大統領は昨年7月7日に首都ポルトープランスの自宅で暗殺された。事件の全容はまだ解明されていない。

事件後まもなく、当時の国家警察長官は「ジョセフ元上院議員が傭兵に武器を提供し、暗殺に深く関与した」と述べた。米マイアミ・ヘラルド紙によると、ハイチ国家警察は事件の調査報告書の中で、「ジョセフ容疑者はモイーズ大統領を殺すという意志を貫いた」と報告した。

ジョセフ容疑者はハイチの元上院議員で、モイーズ大統領が所属していたPHTK党と対立していた。

暗殺事件直後に暫定首相を務めたクロード・ジョセフ氏は容疑者の逮捕を歓迎した。「暗殺事件に関与した者に逃げ場はありません...」

ジャマイカ当局は昨年10月下旬にコロンビアの元兵士マリオ・アントニオ・パラシオス容疑者を逮捕した。パラシオス容疑者は逮捕後米国に移送され、今月初めに「暗殺の一部に関与した罪」で起訴された。

当局はこれまでに、コロンビア軍の元兵士18人を含む40人以上を逮捕している。

AP通信によると、逮捕された元兵士の大半は「ハイチで治安維持を担うために雇われた」と証言しているという。一部の容疑者は「大統領の情報は一切知らされていなかった」と証言した。

ハイチはモイーズ大統領暗殺事件から1カ月に発生したM7.2の大地震の影響で混乱状態に陥り、その後のギャングの台頭と燃料危機は混乱に拍車をかけた。

ハイチの地元メディアは昨年末、「暗殺事件を担当する警察官や部署は複数の脅迫に直面している」と報じていた。

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