◎国の人口の約7割にあたる2,280万人が深刻な食糧不足に陥り、このうち870万人は飢餓に近づいている。
1月13日、世界食糧機関(WFP)はアフガニスタンで進行中の食糧危機に深刻な懸念を表明し、「国民は飢餓の津波に直面している」と警告した。
アフガニスタンで活動しているWFPのメアリー・エレン・マクグロアーティ氏はAP通信のインタビューの中で、「食糧供給を維持するための予算が圧倒的に不足している」と述べ、国際社会に支援を呼びかけた。「政治的議論より人道を優先しなければなりません...」
WFPの推定によると、国の人口の約7割にあたる2,280万人が深刻な食糧不足に陥り、このうち870万人は飢餓に近づいているという。
マクグロアーティ氏はAPに、「今後12カ月、必要最低限の支援を維持するためには26億ドル(約3,000億円)、包括的な人道支援を提供するためには44億ドル(約5,000億円)が必要」と明らかにした。
国際社会の援助に依存していたアフガニスタンの経済は、タリバンが政権を奪取した8月の時点で大きく傾いていた。西側諸国はアフガニスタンの海外資産を凍結し、資金提供を停止し、タリバンに非人道的な対応を改めるよう圧力をかけ続けている。
現地メディアによると、コロナウイルスと近年の干ばつの影響でインフレが急速に進行し、国の食料価格はこの2カ月で50%以上上昇したという。
マクグロアーティ氏は、「進行中のインフレは明らかに常軌を逸しており、国民は紛争を超える危機に直面している」と窮状を訴え、国際社会に資金を提供し続けるよう促した。
またマクグロアーティ氏、国連のアフガンチームに対する資金提供はタリバンの管轄外と強調した。
タリバンは政権発足直後の演説で女性と少数民族に対する寛容と保護を約束したが、まもなく男性を擁護し女性を差別する以前の体制に戻り、西側諸国を失望させた。西側と世界銀行などの主要なドナーは、タリバンが男尊女卑を改めない限り圧力をかけ続ける意向を示している。
マクグロアーティ氏は過去数カ月の食糧配給は何とか成功を収めたと明らかにしたが、雪の影響でたどり着けない地域が複数存在するため、対応を急ぐ必要があると強調した。「紛争に巻き込まれた国民に罪はありません。数百万の子供がお腹をすかせ、一部は餓死しかけています...」