◎クオモ氏の広報担当は7日の声明で、「前NY州知事は市民の恐喝に屈せず、1ペニーも支払う予定はない」と述べた。
1月7日、ニューヨーク州の地方裁判所はアンドリュー・クオモ前NY州知事のセクハラ事件に関連する唯一の刑事告訴を取り消した。
主要メディアによると、検察側は事件を立証する証拠が揃わなかったという理由で告訴を取り下げると判事に説明していたという。クオモ氏の弁護士は速やかに手続きを進めるよう裁判所に要求していた。
クオモ氏の弁護士を務めるリタ・グラビン氏は7日に行われたオンライン公聴会の中で、「女性の主張は誤りであり、セクハラ事件などなかった」と述べた。「今日、法の支配は絶対であることが証明されました。裁判は政治問題、世論の圧力、情熱、暴力に左右されません」
アルバニー郡地方裁判所のジェニファー・マッカニー検事補は公聴会の中で、「検察は入手可能なすべての証拠を検討した結果、クオモ氏の有罪を立証することはできないと判断しました」と強調した。
別の判事は、「告発を先に進めるかどうかは検察次第である」と述べた。「裁判所は検察の裁量に干渉しません...」
クオモ氏は元補佐官を含む複数の女性を手探りしたと告発されたが、一貫して無罪を主張していた。この刑事告訴はクオモ氏にとって最も大きな法的脅威だった。ただし、セクハラを告発した女性11人のいずれかが新たな行動を起こせば、クオモ氏は再び訴訟に直面することになる。
クオモ氏の広報担当を務めるリッチ・アッツォパルディ氏は7日の声明で、「前NY州知事は市民の恐喝に屈せず、1ペニーも支払う予定はない」と述べた。
アルバニー郡の検察当局は昨年10月、元補佐官のブルターニュ・コミッソ氏の証言に基づき、クオモ氏を刑事告訴した。
コミッソ氏によると、クオモ氏は自宅マンションでコミッソ氏の胸をブラウス越しに掴んだという。
コミッソ氏の証言は昨年8月にNY州のレティシア・ジェームズ司法長官が公表した報告書の中で最もひどいもののひとつだった。クオモ氏は同月辞任し、報告書を「不公平」と呼んだ。
訴訟を担当したアルバニー郡地方弁護士のデイビッド・ソアレス氏は先週、「いくつかの証拠はコミッソ氏の証言を裏付けているが、有罪判決を勝ち取ることはできない」と述べていた。
ソアレス弁護士は7日に放送されたラジオインタビューの中で、「ジェームズ司法長官の報告書にコミッソ氏の証言を裏付ける証拠はなく、検察は世論に左右されません」と語った。「すべての米国民は発言する権利を持っていますが、証拠を提出しなければなりません...」
ジェームズ司法長官は現在、クオモ氏が州知事時代のコロナ対応などを記した回想録にNY州の予算を使った可能性がある件を調査している。
クオモNY州知事のセクハラタイムライン
・2020年11月23日
クオモ州知事が国際エミー賞創設者賞を受賞。
・2020年12月13日
元NY州知事補佐官のリンジー・ボイラン氏がクオモ州知事からセクハラを受けたと告発。キスを迫られ、何年も嫌がらせを受けたと主張した。
・2021年2月24日
ボイラン氏はクオモ州知事が州の経済開発機関で働いていた時に不適切な行動をしたと非難した。
・2021年2月27日
元補佐官のシャーロット・ベネット氏がタイムズ紙にセクハラの事実を告発。
・2021年2月28日
クオモ州知事は非難の嵐と圧力に屈し、レティシア・ジェームズ司法長官に召喚の権限を持つ特別検察官を任命し、セクハラの申し出に対する独立した調査を行うよう命じた。
・2021年3月1日
ニューヨーク・タイムズがクオモ州知事からセクハラ被害を受けたアンナ・ルーチ氏の告発記事を発表。なお、ルーチ氏はクオモ州知事とは仕事をしていない。
・2021年3月2日
NY州のキャスリーン・ライス下院議員がクオモ州知事に辞任を要求。
・2021年3月12日
民主党のチャック・シューマ―上院院内総務がクオモ州知事に辞任を要求。
・2021年8月3日
レティシア・ジェームズ司法長官がセクハラの申し立てに関する報告書を公表。
・2021年8月8日
クオモ州知事の秘書メリッサ・デローザ氏が辞任。
・2021年8月10日
クオモ州知事辞任発表。
・2021年8月24日
クオモ州知事辞任。キャシー・ホークル氏が第57代NY州知事に就任。
・2021年10月28日
アルバニー郡の検察当局がセクハラ被害を受けた女性のひとり、ブルターニュ・コミッソ氏の証言に基づき、クオモ氏を刑事告訴。
・2021年12月4日
・CNNニュースがクオモ氏の弟、クリス・クオモ氏を解雇。
・2022年1月7日
・アルバニー郡の地方裁判所がクオモ氏に対する刑事告訴を取り消す。
